主人公の「読む」能力、それはタイトルにある通り「さとり」というものである。そうして読むことによって当たり前に日常を送ってきた彼が出会う、その「読む」が通じない相手。
思えばポーカーや将棋といったものは相手の思考を読むものであるが、何手先まで、というのは囲碁や将棋、そしてチェスといったもの特有であるかもしれない。
怪異譚にあるさとりは、栗の爆ぜる思考外から発生したものに驚き逃げていったが、彼の場合はまた違う。
確かに読んだ、けれど読み切れなかった。なるほど、こんな場合もあるのか。
一気に読むことをおすすめします。そして今後の彼らのことにも思いを馳せて欲しい一作です。
ぜひご一読ください。