自覚あるヤンデレ彼女VS度量の深い彼氏

青猫

自覚あるヤンデレ彼女VS度量の深い彼氏

……小さい頃あったドラマ。

自分より、ずっと年上の男の人と女の人が、「好きだ!」とか、「愛してる!」とか言いながらぎゅっとしているのを見て、不思議に思ったことを覚えている。

お母さんに聞いたら、「二人は好きだから、あんな事をしているの」と答えてくれた。


私は、それを見ながら、何か足りないと子供ながらに思った。



中学の時、初めて好きな人ができた。

その時に、あの時足りないと思ったものが何だったかのかが分かった気がした。


——私だったら、もっともっと相手の事を愛したい。

好きな相手の絵や写真は沢山欲しいし、相手が何をしているのかも知りたい。

他の女の子としゃべっているのを見たら、ムッとしちゃう。


何だったら、私を食べてほしい。

私が彼の血や肉になりたい。


……好きって、そういうものじゃないの?

そう思っていた。



その彼とは、付き合って、一週間もしないうちに破局した。

別れた当日、彼はクラスメイトの前で、私の事を非難してきた。


曰く、「束縛がひどい」

曰く、「愛が重すぎる」

曰く、「気持ち悪い」


彼の話を聞いたクラスメイトも、次々に「やばいやつ」とか、「ヤンデレ」とか、「気持ち悪い」とか、私を一緒になって非難してきた。


どうして、とか、好きなだけなのに、とか、色々な事を考えて、このまま彼と一緒に心中しようかな、とか考えながらも、どこか冷静な自分がいた。


……私って、少しおかしいんじゃないか?

……もしかしたら、この感情は表に出してはいけないものなのかもしれない。


そう気づいたときには、もう、手遅れで。

私は中学の間、クラスメイトから距離を置かれてしまっていた。



そして、高校生。

お父さんとお母さんに相談して、割と進学校的な学校に入学した。

今度は、自分を抑えて生活しようと思いながら。


「……好きです!付き合ってくれませんか!?」

「……俺でいいなら……」


入学して一か月。

私は、新しい彼氏ができた。

名前は海翔。同い年で、同じクラスで、同じ図書委員の男子だ。

——こう、なんといえばいいのだろう。初めから、好みドストライクではあったのだが、困っているときにいつも助けてくれる優しさとか、ふとした時に見せる、かっこよさとかに打ちのめされてしまった。


……正直、恋愛はやめようかと思ったのだが、束縛とかをしなければセーフなのでは!?と思ってしまった。

だから、こうして好きな人にアタックして、成功したというわけだ。

やっぱり、好きな人と一緒になるというのはすごく幸せな気持ちになれる。

このまま、ずっと二人きりで一緒に……。



……これはアウトだな。

私は少し危険な考えを頭から振り払う。

私は世間一般のヤンデレとは話が違う。

そう、私はヤンデレだが読書家でもあるのだ。

中学校でぼっちだった頃は文字が友達だった。

色々と読んでいくうちにとうとう出会ってしまったのだ。

ヤンデレと。


あの日、言われたヤンデレという言葉。私には何の意味かは全く分からなかったが、

本を読むとすっきりした。

——あ、これ私です。


ヤンデレを熟知し、ヤンデレがしそうなことを知ったヤンデレの私はもう無敵。

だって、ヤンデレのしそうな事をしなければいいんだもの。


隠しカメラで大量に写真を取ったり、自分の髪や血を入れたご飯を食べさせたり、他の女の子と会っていたらとてつもない嫉妬をたぎらせて物理的手段に出たり、監禁・拘束したり、

好きな人のモノをこっそりくすねてコレクションにしたり。あとは好きな人の匂いを嗅ぎたいっていうのも理解できる。


……正直すごく共感したし、私もしたいと思った。

でも、こういうムーブは世間一般から見るとだめらしい。

一部のコアな人間以外には忌避されるような行動であることには違いない。


だから、私はヤンデレを封印する。

私は、自覚あるヤンデレなのだ。


そう思っていた、この時までは。



——付き合って一か月。

まぁ、まだヤンデレムーブを我慢できた。

海翔も、ぎこちないながらもあちこちにデートに誘ってくれて私は満足だった。

満足だった、はずだ。

私は、心の奥底から聞こえる、「もっと!もっと!」の声を無視した。



——付き合って二か月。

海翔と付き合っていることにも慣れてきていて、だんだんと欲が抑えきれなくなった。

ちょっとだけ、と思いつつ始めてしまった盗撮フォルダは、もう100枚を超えた。

初めてのデートの時に貰ったペンダントは、厳重に保管してある。

他の女の子と話をする海翔とその女の子に嫉妬して嫉妬して抑え続ける事を何回も繰り返している。


……あれ、おかしいな。

我慢するってそう決めたはずなのに。

なのに、愛してほしい、そんな思いが心で悲鳴を上げている。

心の奥底から聞こえていたはずの「もっと!もっと!」の声は、もう耳元まで迫っている。



付き合って、三か月。

海翔海翔海翔海翔海翔海翔海翔海翔海翔海翔海翔海翔海翔海翔海翔海翔海翔海翔海翔海翔海翔海翔海翔海翔かいとかいとかいとかいとかいとかいとかいとかいとかいとかいとかいとかいとかいとかいとかいとかいとかいとかいとかいとかいとかいとかいとかいとかいと

……


……もう、限界だ。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


俺は、海翔。高校生だ。

そんな俺には付き合っている彼女がいる!

……人生勝ち組!


そんな彼女の名前はあやかだ!

あやかは可愛くて、勉強もできて、話していてとても楽しい、大切な大切な俺の彼女だ!


今日で付き合って大体三か月になる。

そんな時に、彼女から「家に来ないか?」と招待を受けた。

俺は「是非!」と返して、彼女の家に来たのだが……。


「はい、お茶!遠慮せずに飲んでね!」


……正直、すっごく緊張している。

俺にとっては初彼女。

彼女いない歴=年齢だった俺にこんなに良い春が来るなんて思っても無かった。

最初は、図書委員会で一緒に作業をして会話をする仲ではあったのだが、まさか、俺の事が好きだとは思っておらず、告白されたときは本当に驚いた。


そこから色々な本を読みつつ上手く彼女を喜ばせられるように頑張る日々。

そんな日々の中で好きという思いをぶつけてくる彼女に俺もだんだん好きという気持ちが募っていった。

今日は付き合ってとうとう一か月。

これからも一緒にいれたらいいなと思いつつ、俺はお茶をグイっとのみほした。


——途端に、視界がグワングワンと揺れ始める。

——おやすみなさい。

彼女がそうつぶやく声を聴いたような気がして、俺は意識を失った。



——目を覚ます。

辺りは真っ暗で、何もわからない。

電気を付けようと、動こうとしたその時。

腕と足が引っ張られた。

どうやら、何かに縛り付けられているらしい。


状況を把握できないまま、とりあえず縄をほどこうと四苦八苦していると。


「ねぇ、起きた?」

と聞き覚えのある声が。


「あやかか!?そこにいるのか?」


俺がそう尋ねると、部屋が明るくなる。

そこには、呼吸を荒くしたあやかがいた。


「なぁ、縄をほどいてくれないか?」


あやかは首を横にふる。


「それはできない。海翔は今日からずっと一緒に私と暮らすんだから」


あやかの目は真っ直ぐに俺を見つめたまま、だんだんと俺の傍に寄ってくる。

あやかは正気を失っているようだ。


「あやか、落ち着いてくれ!一旦ストップ!」

「……もう待てない。ずっと我慢してきたもの!」

「深呼吸して、自分が何しているかをちゃんと把握してくれ!」


そうは言うものの、あやかは全く落ち着く様子が無く、何か、焦るようににじり寄ってくる。

……言葉じゃだめだ。

俺は深呼吸をして冷静になる。


あやかはどう考えても、正気を失っていて、このままじゃ何か取り返しのつかないことをしでかすかもしれない。

そうなる前に、なんとか落ち着かせないと!


俺は覚悟を決め、叫ぶ。


「あやか、こっちに来い!」

「……はぁい!」


そう言うと、ゆっくりと寄ってきていたあやかは俺の胸元に飛び込んできた。


「ねぇどうするどうするわたしのことうけいれてくれる?ねぇほかのおんなのところなんていかないでずっとわたしの……」

「ごめんな、あやか」


俺は狂ったようにしゃべり続けるあやかの口を自分の口で塞ぐ。


「!!……」


あやかは最初驚いたような表情をするもすぐに受け入れるように目を閉じた。

苦肉の策だが、俺はどうかうまくいくことを願った。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


……あぁ、凄く幸せだ。

満たされていくのを感じる。


息継ぎも無く続く長いキスの中、私の心は幸せに包まれていく。

本当は、こうしたかった。こんな風にしてもらいたかった。

このまま永遠に、ずっと二人で……。


しかし、そんな風に思っていたのも長くはなかった。

だんだんと苦しくなってきた。

こんなに深いキスはしたことが無くて、息継ぎなんてできるはずもない。


……苦しい、苦しい!酸素が!


私は無我夢中で海翔を押し倒した。

そして息を思いっきり吸う。


途端に欲に駆られてぼやけていた思考がはっきりしてきた。


……私、何してんの!?


さーっと青ざめる顔。


……終わった。


いくらなんでもこの状況からごまかすことはできまい。

あの時の事が、脳裏をよぎる。


ずっと好きで、自分なりに尽くせたと思っていた彼氏からの別れ話。

受け入れることができず、もう一度とすがったときのあの冷たいみんなの目。


「……ごめんなさい」


私は海翔の縄を丁寧にほどいて、そして断罪を待つかのように部屋の真ん中に座る。


自分は我慢できると思ってた。

物語に出てくるやつらなんかとは違うと思ってた。

きっと幸せになれる。

そう、思ってたのに……。


涙がぽろぽろと出てくる。

立ち上がる音がした。

逃げるのだろう。

それが正しい。

こんなやばい女なんて、置いてさっさと逃げたらいい。

そしたら、一人でわんわん泣けるのだから……。


しかし、足音は徐々に近づいてくる。

部屋から出るには私の傍なんて通らなくてもいいはず。


じゃあ、どうして——?


顔をあげると、ぎゅっと抱かれた。


「え——?」

「……ごめんね」


海翔から突然謝られた。

頭が混乱する。

何か、何か言わなくちゃと思っている間に、海翔は言葉を続ける。


「ずっと我慢してたんだろ?俺が気づかなかったせいで無理してたんだね」


温かい言葉と、優しい抱擁。

——私の中の何かが、はじけた気がした。


私は声をあげて泣いた。




「……もう気にしてないからさ、ね?」


そう言っておろおろするのは海翔。

私は今、世界で一番きれいな土下座をしていると思う。


海翔には私の事情を一切合切説明した。

ここでごまかしたとしても無駄だっていうのは分かり切ったことだから。


そして、色々とやらかしていたことに対しても海翔に謝罪した。


「本当にごめんなさい!!」


海翔は私がしてきたことに驚きはしたものの、何か受け入れてくれた。


「まぁ、法に反しない限りは捕まらないからね」


だそうだ。

私から別れることを提案したが、海翔は首を横に振った。

曰く、「なにもされてはいないんだし、ギリギリセーフ」

だそうだ。


「……これからも、こういったヤンデレムーブは抑えていきますんで……」

「それはダメだよ」

「えっ?」


私は顔をあげる。

いや、絶対ダメでしょ、危険な目に遭わせちゃったし……。


「いや、ちゃんと我慢しないと。危ないから」

「でも、我慢しちゃった結果があれじゃない?」


そう言って縄を指さす海翔に言葉が出ない。


「そう言って我慢し続けるのは、体にもよくないし、何より爆発したときの方が何されるかわからないから危険だ」

「え、じゃあ、どうすれば……?」


海翔はそこでニッと笑った。


「まぁ、できる限り、あやかの要望には応えていくよ。あげられるものだったらあげるし、写真とかもガンガン取って良いし、嫉妬だって、俺にぶつけてくれて構わないよ」

「……え?」


本当に……?


「いいよ」

「えっ心読まれた!?」

「いや、顔に出てるって」


ほら、こんな感じと、海翔はきょとんとした表情になる。


「まぁ、そりゃ、ずっと監禁とかは難しいけど、ちゃんと相談して。ほら、学校でも習ったでしょ?報・連・相って」

「……本当に?」

「本当。じゃ、今したい事言ってみて?」


今……?

本当にいいのかな……?


「あの、いや監禁した当日に加害者から言う事ではないと思うんですが……」

「なになに?」


海翔は興味津々だ。


「あの、海翔の匂い、嗅いでもいい……?」



——それから三か月。


「でね、みっちゃん、昨日のテレビでさ!」

「はいはい?」


高校生活も慣れてきたもので私にも友達というものができた。

まぁ、ヤンデレをきちんと律せるようになった影響もあるのだけれど。

適度にヤンデレを放出することで、より楽しく円滑に生活が送れるようになった。

今話している相手は美智子ちゃん。私の友達だ。


「あの芸人さんが……」

「ん?」


あんなに饒舌だった私の口が一点を見つめて止まってしまったことに気づいたみっちゃんはまたか、といった風にため息をついて私が見つめている方角へ顔を向ける。


そこには女の子と楽しく話している海翔が。

みっちゃんは私の方へ向き直る。


「またつまらないことで嫉妬してるの?」

「だって、だって、海翔が女の子に~!!」


握った箸に力がこもる。


「あやか、そんなことしてると、海翔君に気づかれ……」

「あやか?」


あちゃーっといった感じで頭に手を当てるみっちゃん。

私も今になって冷静さを取り戻し、青ざめている。


「いや、今のは、ちがくて……」


私が弁明する暇もなく、海翔は私を自分の膝の上に抱え上げる。


「ごめんね、ちょっと聞きたいことがあったらしくて。でも、今からはあやかのものだから」


そう言って私の手から箸を取り上げ、お弁当の具を箸でつかみ上げると、「あ~ん」

と私の方に差し出してくる。


「幸せ者だねえ!」という声が聞こえる。

私は幸せやら恥ずかしさやらで顔を真っ赤にした。

今思えば、あの時からこの受難が来ることは予測ができただろう。



三か月前、あの後。


匂いを嗅いでもいいという許可を貰い、私はおそるおそる海翔に近づいた。

そして、おそるおそるとスンスンと匂いを嗅ぐ。

海翔の汗の匂いとか、服の柔軟剤の匂いとか、いろんなものが混じった匂いが脳を溶かす。


「あぁ……!!」


そこから夢中になってあちこちの匂いを嗅いでいたのだが、海翔が突然、私をギュッと抱きしめてきた。そしてスンスンと髪の匂いを嗅がれる。


「……なるほど、いい匂いだね」


私は、途端にものすごく恥ずかしくなって海翔から離れた。


「え、えっと、何してるの!?」


私がそう問うと海翔は少し恥ずかしそうに、


「いや、あやかが凄く匂いを嗅ぐものだから、そんなにいい匂いなのかなって?」

「じ、自分の匂いを嗅げばいいんじゃない!!?」

「自分の匂いって慣れてるからわからないものだよ?」


……言われてみればそうだ!!



そんなことがあった日から、海翔の愛情表現がより激しくなってきたのだ。

こんな風に、膝に座らせてからのあーんは当たり前、時にはお姫様抱っこで登校したこともある。

あまりの恥ずかしさに、私はなんでそんなにしてくるのか聞いたことがある。



本人が言う事には、


「俺の父親が、俺の母親に愛情表現があまりないことがあってさ、それで破局の危機まで行ったんだよ。だから、反面教師で、俺の大切な人には、もっとわかりやすくしてあげようって思ってて。

でも、初めての彼女でどう扱ったらいいかわからないときにあれだろ。じゃあ、もっと大切にしていいんだって思って。嫌だった?」


と。

恥ずかしいけど、ものすっごく幸せにも包まれていた私は首を横に振った。

そしたら、


「よかった。じゃあ、これからもよろしくな」


と。


おかげで、嫉妬とかのヤンデレムーブをかますと、その数百倍の恥ずかしさが襲うようになってしまった。


クラスのみんなにも、この光景が完全に受け入れられてしまっていて、今では学校一のバカップルなんて言われてしまっている。


というか、これが見たいが為に、女子が海翔に話しかけているという噂を耳にしたこともある。


なのになぜ体は動いてしまうんだ私のドジヤンデレ!


恥ずかしいながらも、着実にご飯を食べ進め、完食した私。

いつの間にか海翔もご飯を食べ終わっている。


「おい!海翔!サッカーやろうぜ!」

「おう、分かった!」


海翔は私を元通り座らせ、皆と一緒に外に出ていく。


みっちゃんはじっとその光景を見ていたが、ふと疑問に思ったように尋ねる。


「『離れたくない』って言わないの?」


私はハッとするも、みっちゃんをジトリとにらんだ。


「それ言って、この前どうなったか目の前で見てたでしょ?」


「あぁ、あの時は面白かったね……」



この前。

何事もなくみっちゃんと昼を食べて(海翔は近くの席で友達と食べていた)、のんびり話をしていた時だ。

海翔の友達の益男くんが、「海翔、野球しようぜ!」とか言って海翔を外に連れ出そうとした。


私は咄嗟に海翔の腕をつかんで、「離れたくない!」と言ってしまった。

益男くんが少し困ったような顔をしていて、私も「やってしまった!」と思っていたが、

海翔は「いいよ!野球やろう!」と言い放った。


私はこのときひどい曇り顔だったらしい。

益男くんは慌てて「おい、いいのか!?」と言ってきたが、

海翔は「ほら、いくぞ!」とそのまま益男くんの背中を叩いた。


私がしゅんとして、ずっとつかんだ腕を離さないでいると、海翔は私の背中に手を当てて、


「よし、行くぞ!」


とひょいと私をお姫様抱っこしてしまった。


「え!?あ、ちょ!?」

「これなら問題ないだろう?ほら、一緒に行くぞ!」

「ちょっと、え、このまま!?」



……あの時、周囲の視線を一身に受けながらお姫様抱っこで校庭まで運ばれたことを、私は忘れない。


「あやか、あの時もさっきみたいに顔まっかっかだったもんね」


……今思い出しても恥ずかしい。


「でも、本当に追いかけなくて大丈夫?」


「大丈夫。海翔の持ち物にGPSと盗聴器つけてるから、今何してるのかは分かるし……」


私がそう言うと、みっちゃんはあきれたように話す。


「あやかもあやかだけど、それを受け入れる海翔君もすごい人ね……」

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