第2話

 今日は仕事は休みの日。

 いい天気。

 洗濯物を干したら二軒隣のお店へと歩いた。

 日差しの弱い日で、花屋はどこかしら凛々しく見える。

 店内は花の香りが充満していた。

 今日もお客は一人か二人。

 店長はいつもキリッとした顔でレジから離れない。

 そんな店長が私は好きだった。


 花の恋人はすぐ近くにいるんじゃないかしら?

 いつか、このお店の写真を撮ってみよう。


 花の恋人は近くにいるんじゃないかしら?

 お店の近くに喫茶店ができた。

 

 なんでも美しい花を飾っているのだそうだ。

 私はすぐに喫茶店へと向かった。

 それはそれは綺麗で、とてもいい香りのする花だった。


 花の恋人は近くにいるんじゃないかしら?

 店員にすごく優しい人がいた。

 私の勤める花屋の写真を気に入ってくれた。

休みの日の朝に撮った写真だ。

 今度、花を買ってくれるそうだ。

 開店初日だからとダッチコーヒーを振る舞う喫茶店。

 私はそこが好きになっていた。


 花の恋人は近くにいるんじゃないかしら?

 前に撮った写真は鞄に入れて、もう一枚の写真には、もうすぐ喫茶店の優しい店員と花屋の店長が写るだろう。

 

 いつの日か私は二人のどちらかに好きと言えるだろう。


花の恋人はすぐ近くにいるんじゃないかしら?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

花の恋人 主道 学 @etoo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ