クリスマスにチキンを食べる理由
あなたはクリスマスにチキンを食べる理由をご存知だろうか?
クリスマスにチキンを食べる理由——それが古代中国の風習に由来していることは、意外に知られていない。
古代中国では、毎日のように卵を産む鶏を富と子孫繁栄の象徴のように捉える文化があり、そこから「新年も幸多い年になりますように」という願いを込めて、一年の終わりの頃に鶏1羽をまるごとを家族で食べる風習があったという。
それを引き合いに出して、クリスマスにチキンを食べる風習を打ち出したのは、戦後の百貨店業界だった。
当時、関税引き下げにより外国産の鶏肉が国内に多く流通するようになっており、百貨店をはじめとする小売業界は消費の喚起を狙っていた。
奇しくも、クリスマスが「商業イベント」として年々定着していっていた時期。当初は古代中国の風習を念頭に、なんとなく「年の瀬に縁起がいい食べ物」として丸焼きの鶏を押していた百貨店も、次第にそれをローストチキンとして、「クリスマスのディナーには欠かせない一品」として推し始めた。
こうして私たちはクリスマスにチキンを食べるようになったと言われている。
*このエッセイはフィクションです。
クリスマスにチキンを食べる理由 梶舟景司 @kshi_kaji
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