murders mystery

@IPNE

プロローグ

時刻は午前2時を少し回ったところ。

男が1人、ある屋敷の廊下で頭部を殴られ絶命している。

側には1人の人影があり、その男を見下ろしている。


どうしてこうなった…

『何やってんだよ…』

頭に直接"相棒"の声が響く。

「だから言ったんだ!お前のせいだからな!」

『おいおい、相棒。確かに俺にも責任の一端はあるがな…お前がやったことだろ?』

「お前とかわっていればこんなことにはならなかったはずだ!」

『そんなのわかんねぇじゃねぇか。ていうか俺たちで争っている暇なんてないぞ。あいつらが起きてきたらどうするんだ。とりあえずそれをどうにかしないと。』

「どうにかって、どうすれば…あぁ、あいつらに殺される…」

また、あの時のような気持ちになる。自分の死を意識してしまうとうまく考えることができなくなるのだ。これは僕だからなのだろうか、それとも人間は皆こんなものなのだろうか。

『落ち着け。まぁ殴ったのは良かったよ。音が出ない。不幸中の幸いってやつだ。』

"相棒"が他人事のように言う。腹が立つがこんな時でも冷静に考えられるのは心強い。

"相棒"は僕よりも頭がキレる。何かアイデアを出してくれないか。そう思うよりも早く"相棒"の声が頭に響く。

『…仕方ねぇな。俺に任せろ。』

何か策が浮かんだようだ。

"相棒"だからと言って脳内の考えを共有できる訳ではないため、僕にはどんな策か分からない。

「どうすれば…?」

『まずはそいつを窓際に動かせ。』

死体に触ろうとして素手であることに気づく。

「でも…手袋を持ってない」

『指紋は付けてもいいだろ。ただ音は出すなよ。絶対に。』

あぁ、そうか。僕は納得して作業に取り掛かった。

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