~序章~ 第2話 幼き日々の思い出
「あんたじゃ釣り合わないでしょ」
ああ。。このセリフは教室でのあの時のか。
確か小4の時だったかな。
毎年12月になると、この夢を見るな。。
夢というか過去の記憶か。
明晰夢というのか知らないが、
あの時の場面を
第三者視点で見ているような感覚──
Mさん。そう言いながら
なぜ君が辛そうな顔をするんだい?
「私はあなたの事、別に好きじゃないし」
素っ気ない事を言いつつも、
その横で身体ごと顔を窓の方に背けて
オレを頑なに見ようとしない
○○○さん。
普段は結構大きい声で話すのに
やたらと小声でそんな事を言う
○○○さん。
保育園で幼いながらに
一目惚れして
友達100人出来るかなを
地で行っていて、
小4まで男女問わず友人が多かった
オレが唯一、気軽に声を掛けづらかった
○○○さん。
小学校に入ってからは
男女で別れてグループになる事が
ほとんどで一緒に遊ぶ事もなくなって
疎遠になってしまったけど、
5.6才の頃は結構仲が良かったはずなのに。。
絶対に嫌われたくないが為に、
幼いながらに話しかけ方だったり
使う言葉だったり
細心の注意を払って
接していたのが逆に良くなかったのか。。
叶うならば5才から
【
──苦節5年。
一目惚れしてから暖め続けた
膨れ上がる想いに遂に耐え切れず、
5年越しに一世一代の告白に望んだ場面で
まともに会話すら出来ずに
初恋が砕け散った瞬間であった──
──────────────────
──────────
「私はあなたの事
好きじゃないって言ったでしょ」
まだ続くのか。。
大抵最後まで続くんだよな。この夢。。
この
あの場面から数ヶ月後だったか。。
諦めきれずにもう一度だけ二人きりで
顔を見て話をしたいと思ったけど
彼女の周りには貴族子女よろしく
普段、最低二人は取り巻きの
常に侍っていたから
数ヶ月もの間、一人になる
タイミングを待ってたんだっけ。。
──この時も後ろから話しかけたとはいえ、
遂に最後までオレの顔を
見てくれなかったんだよな。。
この
オレと
完全に切れてしまった──
──────────────────
──────────
「ねえねえ、○○~
好きな人っているの?」
「・・・いるよ。」
「そっか・・聞きたい事はそれだけ。
じゃあ、またね!」
この
確か中1の時だったか。。
あれから3年が経っても
未練がましく気が付けば
彼女を視線で追ってしまう自分が女々しくて
情けなかったように思う。
Yさんにこう聞かれた時に
もう叶わないと分かってしまっている
恋でも自分の気持ちに嘘を付きたくなくて
【好きな人はいない】と言えず、
何とか絞り出した言葉が
これだったっけ。。
──────────────────
──────────
「・・・○○山帰るところだけど、
後ろ乗ってくか?」
「うん・・」
この
確か中2の時、
遊びに行った帰りの夕方──
チャリを走らせていた所に
バッタリMさんと出くわして、
オレに話しかけたそうにするも
言葉が出ない──
そんな表情をする彼女を無視して
去る事も出来ず、
こうして声をかけたんだっけか。。
今にして思えば、
普段元気系のMさんにしては
やけにしおらしかった気がするな。。
家に着くまで一言も話さなかったし。
小4の時、
親友だったのか、ほぼほぼ一緒にいたっけ。
彼女はKさんがオレの事が
好きなのを知っていて、
自分が身を引く為にあの時もあの時も
わざとあんな態度を取ったんじゃないかと
都合のいい妄想を
してしまっている自分がいる。
でも、これが都合のいい【妄想】じゃなくて
【事実】だったら?
どうして【彼女】は
Mさんの為に身を引こうと思ったのか?
どう考えても
【一夫一妻制】とかいう
呪いのせいとしか思えない。
男性は
・付き合えるのは一人だけ
・結婚出来るのも一人だけ
・複数人と関係を持ったら不倫扱い
・複数人と遊ぶだけでも火種になる
今なら言える──
一夫一妻制なんぞ関係ないと──
譲らなくていいと──
オレはあなたが好きなんだと──
二人とも幸せにするから
自分の気持ちに嘘をついて
【あなたの事、別に好きじゃないし】
なんて言わないでくれと──
こんな
オレみたいに心に傷を負った
未だに彼女いない歴=年齢の
DTシャイボーイが世に多く居て、
独身率が高まっているせいで
少子化が加速していると
オレは本気でそう思っている。
──────────────────
──────────
「Aちゃんが○○○と話したいんだって!」
「オレと話しても面白くないと思うけど」
「そんな事言わないでさ。
連れてくるからここで待っててね!」
中1だったか中2だったか──
この頃からYさんとその親友のAさんに
やたら声を掛けられる
日々が続くんだっけか。。
今にして思えば、オレを下の名前で呼ぶ
数少ない女の子だったな。。
付き合いたいと思う程に
オレの事が好きだったのかは分からないけど、
かなりの好意を持っていてくれた事を
嬉しく思う。
──これだけ好意を寄せてくれる
女の子が複数人いても
毎回素っ気ない態度を取ってゴメンよ。
この後は態度が変わらないオレに
見切りをつけたのか、
二人とも違う男と付き合ったんだったか。。
【彼女】も付き合ったのかまでは
誰かに聞く勇気もなくて、
確認しなかったけど
よく一緒にいる男子がいたっけな。。
そいつと一緒にいる所を見る
【彼女】が幸せなら隣にいるのが
【オレ】じゃなくてもいいと、
自分の気持ちを無理やり押し殺して
一人で勝手に苦しんでたっけ。。
20歳ぐらいの時にそいつとパチ屋で
バッタリ出くわした時に
隣に居たのが知らない
付き合ってなかったのか、
別れたんだろう。
同窓会の時、会場に着くやいなや
真っ先に【彼女】をさり気なく
視線を巡らせて姿を探してしまう
自分を自嘲しつつも、
成長して大人の女性になった
【彼女】を一目でも見たいと期待してたな。。
──結局開始時間になっても
【彼女】は現れず、
テンションがマッハで下がり
男連中にも素っ気ない態度を
取ってしまったんだったか。。
保育園年長の5才の時も
小4の10才の時も──
中1の13才の時も──
中3の15才の時も──
18歳で同窓会に行った時も──
そして今でも
どうやらオレは【あなた】しか
こんなオレを【あなた】は
どう思うでしょうか?
女性は重いと敬遠するでしょうか?
──他の誰にどう思われようと
これがオレの偽りない
【彼女】は心から頼れる男と【幸せ】に
暮らしているだろうかと──
苦しんでいないだろうかと──
辛い目にあって
一人で泣いていないだろうかと──
あれから10年以上も経つのに
未だに【オレ】は【
ずっと
【~Sakura ✿ Online~】 影神 シン @Master6
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