【~Sakura ✿ Online~】
影神 シン
~序章~ 第1話 【メイ】さんからのお誘い
──現代日本 2013年12月
某県N市 15時
世の中って残酷だよな。
持つ者と持たざる者がいるのは
世の理とも言うべき
自然の摂理ではあるが、
彼女いない歴=年齢のオレからしたら
12月恒例のあのイベントは
毎年切なくなるだけの苦痛でしかない。
クルシミマスとは誰が言ったか
的を射ているように思う──
本腰入れて女の子と交流しようと思えば
手段がないこともないが、
出会い系とかやる気もないし
クラブでナンパするとか
絶対に無理だしどうしたもんか。。
益体もない事を色々考えてはいるが、
つまり彼女が欲しいだけだったりするw
未だにお付き合いすらした事もないのは
幼い頃の淡い初恋の恋物語の思い出が
強烈過ぎて、その後に出会った子に
惹かれなかった事が原因だろうが。。
遊びで彼女を作る気にもなれず、
かといって大した能力もなく
結婚して子供まで養う
結婚を前提にお付き合い出来そうな
負のスパイラルに
見事にハマってるのは──
少子化が騒がれているこの国において、
オレだけじゃないと思いたい。
そもそも一夫一妻制とかいう
呪いのせいで
オレみたいに幼少期に
異性関係で傷を負った結果、
独身の人が増えて少子化になってる説。
将来的に超高齢社会になったら
年金や民間の老齢向けの
保険のシステムが崩壊して、
物価もメチャメチャ高くなって
より結婚しづらい
状況になるんだろうな。。
工業発展させてる場合じゃないですよ
お偉い方々。
農業を初めとした一次産業を
国が主導で強化して
食料品だけでも物価下げないと
生活すら出来なくなるぞ。。
──────────────────
────────
あさっての方向に思考が飛んだところで
ふと我に返り、
遊戯場のソファから身体を起こす。
「今日も残り時間ガンバりますか!」
今日も自分と家族のバカ高い
治療費を稼ぐ為に現代の戦場で
──────────────────
──────────
──午後5時
「1400でチャンス目引いて
赤まで行った時は
氏んだかと思ったけど
無事天井逝って一撃5000か。。
メチャメチャ強いな秘宝太陽」
「しかもまだ後乗せとか
伝説もあるからヤバいねこの台w」
弟と分かる人には分かる会話をしながら
ATを消化していると──
「ん? Lineかな?あれ来てないぞ??」
Lobiの方か?そろそろギルドラで
GvGの時期だからジョンさんかな?」
スマホのバイブに意識を取られて
LineとLobiの通知ログを確認するも、
それらしきモノはなし。
「LobiでもないとなるとGmailか?」
──────────────────
【~Sakura ✿ Online~】
~Master様へ招待のご案内~
──────────────────
「何か変なメール来たな。。
バンナムか他の
新ゲーの案内かな?
ギルドラで忙しいから
他ゲーガッツリ
やるヒマはないんだが。。
とりあえず本文見てみるか。」
──────────────────
初めまして、Master様。
私、【~Sakura ✿ Online~】
サポート担当【メイ】が
以後、ご案内致します。
厳正なる審査の結果、
【~Sakura ✿ Online~】への
誘致-初陣として
Master様をご招待させて
いただきたいと思い、
ご連絡させていただきました。
概要と致しまして、
・VRゲーム風【
・Lv制.
・難易度選択可
・人族含め他種族も選択可
・今世で鍛えた
・【貢献度】や【縁故】に応じて
付与される【アーク-Arc-】を
用いた
基礎能力ボーナスを獲得可
簡単にですが以上の内容となります。
詳細は別途【
説明させていただきます。
こちらに来ていただくタイミングは
以下から任意で選んでいただけます。
・即日
・日時指定
・死後
死後以外の場合は
あなたの【
こちらで【
指定いただいたタイミングで【
【~Sakura ✿ Online~】に
【
取らせていただきますので、
こちらの世界で【転生】する際に
昏睡したり、死亡する事は
ございませんのでご安心ください。
【異世界転生】を望まれる場合は
お名前とご希望の【転生】の
タイミングを明記の上、
このメールに直接返信してください。
──【私たち】はこちらの世界の
人々との繋がりを求めています。
Master様とより良い
共に歩める事を切に願います。
【~Sakura ✿ Online~】
サポート担当【メイ】より──
──────────────────
「・・・何というか色んな意味で
すごい内容だなこれ。
【異世界転生】した体での
VRゲーなんかな?
というよりARすら普及してないのに、
VRゲー作れるトコあるんだな。
会社名とか書いてないけど。。
デバイスもないしナーヴギア的なの
くれるんかなw」
あまりの現実離れした内容に
逆に冷静になってしまって、
現実的に考えてしまう自分の思考に
内心ゲンナリしつつも──
「ドッキリでした──
なら笑い話ですむ事だし、
何より【メイ】さんにここまで
熱烈に歓迎されてるんだ。
善は急げでタイミングは
【即日】で返信・・っと」
──この時のオレに言ってやりたい。
軽く考えてたけど
【トンデモねえぞ】と──
後の祭りだが、誘えるなら
弟か誰か誘えば良かったと
後悔することになる・・・
──────────────────
──────────
──翌日0時
「疲れたな。。
秘宝が結局閉店終了ギリのコース
だったで仕方ないけど、
明日は早めに切り上げて
焼肉でも食いに行こうぜカイ。
オレが出すからさ」
「いいね!何ヶ月ぶりだったっけ?」
「全く覚えてない件」
「俺もw」
「少し稼働落とすか。身体持たんし」
「21時頃には店入っとかないと
ゆっくり食べる時間ないし
ちょうどイイかもね。
ゲーセンもあんま行けてないし賛成」
「明日8時に出るでもう寝るぞ」
「了解。おやすみ兄ちゃん」
会話を終え、横になった所で思い出す。
あれから何も音沙汰ないけど
【即日】で返信したし、
そろそろ何かあるかな?
──ネタだろうと思いつつも
若干ワクワクしながら寝て待つ事数分──
「・・・寝よ。果報は寝て待てってね」
この時がオレの主観で
現代日本での最後の瞬間だった。
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