【試し読み】アングレカムは赤く染まって

鈴宮縁

【試し読み】アングレカムは赤く染まって

 私は自分でも知らぬうちに、どうにもならないところまできていたようでした。ああ、そんなことに自分でも気づけないだなんて。恋は盲目と言いますが、友愛だってときにはそうなのですね。——もっとも、私のそれが友愛であるかは甚だ疑問ではありますが。そんな私の愛の話を聞いていただけますか。



 私と彼女は幼い頃から一緒でした。ええ、いわゆる幼なじみという間柄です。母同士も仲のいい幼なじみだったものですから、春に生まれた彼女は春香、冬に生まれた私は冬香。姉妹のように名付けられました。そう、私たちはもはや姉妹なのですよ。春香は私にとって姉のような存在で、それこそ幼い頃は「はるねえ」と呼んでいたこともありました。ああ、懐かしい。……そんな退屈そうな顔をするのはやめてください。私とあなたの仲ではないですか。それに、あなたにも関係のある話でしょう。


——


 続きは文学フリマ35で頒布予定の同人誌「DF通信簿2学期」に収録されています。詳細はこの小説の紹介文に記載しておりますので、ご購入をご検討の方はそちらをご確認ください。

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