第3話 登場人物紹介+α

女神ヘル … いきなり世界が滅んじゃったからさあ大変。光の神バルドル夫妻の手を借りて死者の魂の選別をしていたら、最後の最後に元凶のヒドインとご対面。

 途中休憩を挟んだりしつつ120万人(適当に計算して算出しました)の死者の選別をしていれば、普通に「(元凶は)お前かー!」ってなりますよね。疲れていたのであんな反応してたヘル様でした。

 ヘルヘイムは仏教的な地獄とは違い、病や老衰で亡くなった人間が来る場所なので、ラグナレクで戦って散る運命だった一部の神や戦士が沢山雪崩れ込んで来ちゃったから現場は大混乱。

 後に女神ヘルは元気が有り余ってる一部の人達を、ヘルヘイムの様子を見に来たオーディンにのし付けて返します。



ノエル・プランタン … 乙女ゲー転生したヒドイン。中の人は恋愛脳で頭お花畑なので、逆ハーの延長線上で開けてはいけないルートを開拓してしまい、一番最悪なバッドエンド(スルトの炎による世界滅亡)を引き起こした。

 *フランス語でノエルはクリスマス、プランタンは春。



ラウル・プランタン … ノエルの走馬燈に登場するノエルの義理の弟。

 プランタン家の遠縁の子で、後継がいないので養子に。子爵夫人には良くしてもらっていたので、子爵夫人亡き後に愛人とその娘が来てかなり複雑だった。

 ノエルの攻略が失敗した理由は、単純にコイツとは馬が合わない。というか、「生理的に無理」と思わせたからでした。



スルト … 乙女ゲームの隠しキャラで記憶喪失の青年。正体はムスペルヘイムの門番である炎の巨人スルト。

 逆ハーコンプを安易に狙ったヒドインの行動のせいで妻のシンモラにレーヴァテインで刺されて記憶を取り戻し、ヒャッハーしたスルトと奥さんのタッグで世界に炎が振り撒かれて世界が滅ぶ。

 スルトの√は幾つもバッドエンドがある地雷原たっぷりの難易度高いルナティックなものだったので(ノエルはそのリスクを軽く見ていた)、実質裏ボスと言われていた。

 女神ヘルが裁定している間、奥さんと一緒に炎熱地獄に似たムスペルヘイムで今か今かとウォーミングアップしながらノエルの順番が来るのを待っていた。

 ノエルの前世の記憶を見てる最中に女神ヘルにこっそりアポ取ってからの来襲。



バルドル … 光の神。美しく光り輝く美貌を持った青年。めっちゃ光るので、ヘルヘイムでは存在が眩しい。

 ヘルの父ロキの陰謀で死んじゃったので(北欧神話でそういうエピソードがある)、それ以来エリューズニルの住人に。死んだ旦那様を追ってヘルヘイムへ来た奥さんのナンナさんとはニコイチ。



女神ウルズ … 運命の三女神の一柱。今回は過去を見通す水晶玉を貸すだけのちょい役でしたが、会話中ウルズ様はウルズの泉ウルザンブルンでユグドラシルに燃え移った炎の火消しに邁進していました。

 それがわかっていたので作中の女神ヘルは「慌ただしいだろうが」とウルズを気遣っています。



ヘルの知り合い … 最初の方でヘル様に「馬鹿者ー!」と怒られていた人。

 登場時はネームレスでしたが、バルドルの弟のヘルモーズ。

 北欧神話では、バルドルが死んだ時にヘルに会いに来て「バルドルを生き返らせてくれんか?」と交渉しに来る人。



黒幕 … ヘルの父であるロキ。トリックスターの代名詞的なこの人は、面白そうな事に目がないので、ノエルの恋愛脳を利用してスルトの炎で世界滅亡へと導いた。

 女神ヘルはノエルの過去視をした時にロキっぽい影が何度か暗躍するのが見えて、ロキの手引きを感じた事でノエルの刑を少しだけ減刑。それでも消滅できない呪いは回避できなかった。

 変身能力があるので(ロキが変身して色々やらかしている神話のエピソードは多数)、色々な局面で暗躍していた模様。

 入れ替わりの魔法でヘルモーズさんに成り代わっていた時に炎に巻かれちゃったドジっ子(他にも炎に巻かれたドジっ子が多数発生)。

 やりすぎちゃったかなと思ったけれど、ピタゴラスイッチみたいにあれよあれよと世界が炎に包まれていくのを見た時は愉快だったらしい。

 当初は登場する予定すらなかったのに、

「(犯人は)私だ」

「(犯人は)お前だったのか」的な感じで最後の方に脳内に降臨されたので、執筆98%くらいのところで足踏みしてしまった原因の人。



エリューズニル … 女神ヘルが住む館。館と言われているが、壮大で大きな門と高い垣根で囲われた巨大な要塞みたいな城。某進撃のウォール◯リアみたいな感じ?

 広い敷地なので常時であれば死者の受け入れは余裕の筈だったが、一気にみんな雪崩れ込んできたので、館に仕える下男ガングラティと下女ガングレトは部屋を整えるのに裏ではおおわらわだった。



────────


 なぜか漠然と、異世界転生ヒドインさんがバッドエンド死後の世界で沙汰を待つシーンが浮かんでしまったのと、女神様が「この世界はお前のために創られたものではないが?」と真顔で正論アタックしたので生まれた話です。


 最初は冥界の神という事で、ギリシャ神話のハーデス+ペルセポネ夫妻が候補だったのですが、このシリーズの神様が北欧神話系だったので、やはり統一すべきかなとなり、ヘル様に決定。

 ハーデス様の見た目は閻魔様っぽいという設定が頭にあったので、冥界がちょっと地獄っぽい世界に。


 当初のイメージもあり、書き始めた時に冒頭はいきなりノエルへの問答から始まっていたのですが、「ヘルヘイムのことよく知らないな」→ 北欧神話関係の本を読む→ 解像度上がる→ モーズグズとガルムさん(ガルムさんの鳴き声、最初は「アオーン!」だったのですが書いたら笑ってしまったので「グルルル」と唸るようになった)+バルドル夫妻が登場するようになり描写が増えるという流れでこんな感じになりました。

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偽聖女として追放されそうになりましたが、それを知った女神様が激怒したので大変な事になりました 和泉 沙環(いずみ さわ) @akira_izumi_kayo

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