日本国旗
今日は彼氏の家に泊まりに行った。彼氏の家は最近引っ越しったばっかりで、お泊りが引っ越して間もないのは少し気が引けたが、それよりも嬉しさが勝っていた。
私はバックから着替えなどを取り出すと、何処かに座ろうとしたのだが、ソファー愚か座布団もなく、少し不便と思いながらも、カバンを尻に引いてキッチンからの匂いを嗅ぎながら楽しみに待っていた。
「お待たせ~」
彼氏は厚手の手袋をしながらグラタンを持っており、料理をちゃぶ台に料理を並べると、その間に私は二杯のコップに水を注いでいた。
グラタンは鶏肉の印象があったのだが、彼氏曰く有り合わせで作ったものだから鶏肉じゃなくて牛肉を使っているらしい。それを聞いた時、最初はおいしいのか疑問だったが、赤身の部分を使っているのか、脂身は少なくて美味しかった。
しばらく食べていると、舌に何か糸のようなものが絡まると私はそれを吐き出した。吐き出された物をよく見てみると、それは金色の髪の毛で、彼氏はそれを見ると、少し驚きながらも急いで自分のグラタンと交換してくれた。
夕ご飯を食べ終わって、夜も更けて来たころに彼氏のスマホから着信音が鳴り響いた。彼氏はその電話に出ると、急いで外出の準備をする。
「ごめん。仕事の用事で出ることになった」
「それは仕方ないね。今日は帰ろうか?」
私は申し訳なさからそう言うと、彼氏は直ぐに変えるからと言って家を後にする。私は彼氏を待っている間、暇だったのでスマホで時間を潰そうとしたのだが、バッテリー切れだったので、仕方なく別のことをすることにした。
とは言っても、何も思い付くことが無かった私は、今度彼氏の誕生日が近いということで何か欲しそうな家具が無いか、家の中を探索した。寝室、リビングを一通り見て回るが、あまり高いものは買えないと思うと、私はクローゼットの中を開けた。ハンガー程度なら買えると思ったからだ。
思った通りにクローゼットにはハンガーは無かったのだが、ふと視線を下に向けると所々赤い白い布があった。私は何かの汚れかな。と思い、それを手に取ると一枚のメモが落ちる。
「。今日、家を出ると上のから誰かに呼ばれた気がした。見上げてみると、屋上に誰が立っていた。それは次第に前屈みになると、目の前でバンという音がした。鼓膜が破れたかと思った。目を開けると、日本の国旗が見えた。僕は日本国旗を持って家に帰った。金髪の人が日本国旗なのは少し違和感が残った」
自分は直ぐに警察に通報して、その場を離れた。
小話 星多みん @hositamin
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