第6話 笑みの正体

朝の四時になると隼人は起き出してカーテンを全開にして、

壁に寄り掛かっていた俺の頭をくしゃくしゃにかき回す。


「マジで寝た?」

「マジで寝た。

おはよーす、歯磨きと洗顔な」

「おはよーす」


俺は元気のない返事をしながら二人で朝の支度をする。


「もうしょうがないから後の宿泊キャンセルして帰ろうな」

「なんか父ちゃんみたいだな」

「父ちゃん。お前昨日母ちゃんみたいだったのに俺、父ちゃん」


二人ともフッと笑みが漏れる。


「次はさ―、もっと洋風のホテルにするわ

俺ここがこんな和風チックだと思ってなくてさ」

「でも中庭綺麗だった」

「あー、確かに」


金庫を開けて荷物の片付けをざっくり終えると俺たちは部屋を出て

チェックアウトに向かう。


「そういえばお前ちょっとスマホ貸してくれる?」

「ん?」

「写真消せないだろ、俺が消しておくわ」


俺が震える手で差し出したスマホを隼人が受け取る。


「悪い、出るわここ」

「そっか」

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困っている君が好き 流星未来 @ryusei_mirai

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