800年後の未来から語られる、一国の孤独な女王、少女アリンの物語。

800年前に書かれた、昔の日記から垣間見る、ファンタジー作品です。

こちらの短編は、とある一国の女王アリンが記した日記から物語が展開します。
女王であるアリンが、イスパハルという国を訪れた3日間の記録がこの物語の主軸となっています。
そこで様々な経験をし、知識を得、出会いと別れを経験し、自国へと帰って行くまでのお話です。

時折、800年後の未来からのナレーションが入り、現代と過去を行き来する、とても面白い構成にもなっています。
それにより、この世界の時の流れの有様が客観的に描かれており、今は消え去ってしまった古き時代の歴史書を読んでいるように、とても儚く、ロマンを感じられます。

作者さま独自の、細かな世界観や物事、決まりにもかなり触れられており、ファンタジー作品を書かれる方にも大変参考になる部分があるのではないかなと思います。

こちらは『暗殺者の結婚』シリーズに関連するお話で、それらを読まれていると更に楽しめる作品とはなっていますが、こちらの短編、単独でも楽しめる物語となっています。
もし読まれていない方がおられれば、ここから『暗殺者の結婚』シリーズをおすすめします。めちゃくちゃ面白いので!!

この短編、そして関連シリーズも、とてもおすすめです!!