第3話 初めての依頼人
四人は議員会館の爆破事件のニュースをみながらお酒を飲んでいた、犯人は不明だとニュースでは伝えている、知り合いの刑事に探りをいれたが公安は動いているがなにもわかってないというのが事実だった。
扉を叩く音がした、警察かと思い四人は一回目の呼び出しでは出なかった。
「すいませーん、北島さんの紹介で来たものなんですが」
一人の男が動き扉を開けて「声を出すな」と言った。女の子を中に入れた。
女の子は高校生くらいで一人でやってきた。
「北島さんとはなんの繋がりだ」
「北島さんの元生徒です」
北島さんというのは四人の中学校の担任だった人で四人とも北島さんには
恩がある。ここの地下室も北島さんから借りている、北島さんが左翼だった頃に使っていた地下室で北島さんから言わせれば「地下室なんか何個でも用意出来るから、なにかあったら言ってくれ」と言われていた。
「北島さんの元生徒がなんのようだ?」
「あの。。。この場所を爆破してほしいんです」と女の子が地図を出すとそこは四人が過ごした中学校だった、北島さんもそこの中学校で出会った。
「理由は何だ?」と元自衛隊が聞くと「私の友達がここの中学校で自殺したんです」
理由は、当時友達が先生と付き合っていたという、学校側にバレた先生は全部、友達の責任にした。学校側はその先生に責任はないと言った、生徒の妄想だということで事を済まそうとした。生徒には「学校にこなくていい」と言い出席停止にした。
事情を聞いた寺島さんは校長に訴えたが「生徒の妄想に付き合うわけにはいかん」と言い学校側の過ちを認めることはなかった。
出席停止を与えられた女の子は授業中に学校にやってきて屋上まで行き自殺を図った。彼女は【和田先生との間に子供が出来ましたが、和田先生は子供を堕ろせと言われ喧嘩になりました、それを校長にしられると校長には「もう学校に来るな」と言われました、和田先生には子供を堕ろせと言われるくらいなら私はこの子と一緒に死ぬ事にしました】という遺書を屋上と自分の家に残して彼女は屋上から飛び降りた。
北島さんはその飛び降りの二日後に辞めたという、女の子には「なにもしてやれなくてゴメンな」と言って学校から去っていった。
女の子は学校のやり方に納得がいかなかった、北島さんに相談したら「四人の爆弾魔の所へ行け」と言われたという。
元教師が「そんなものはふっ飛ばしちゃえばいい」といいその学校を爆発することは決定した。一人がやるっていうのが四人の決まりだった。「でも私そんな大金払えないです」と女の子が心配する。「お金なんていらないよ」と元教師が言う。
四人は金儲けの為に集まっていない、金になることにはこしたことはないが、金にならなくても一人がやるって言ったら実行するのが四人の決まりだった。
女の子が帰った後北島さんがやってきた。四人が起立し「お疲れ様です」と頭を下げる、中学からの風習だ。「入り口に公安がいたぞ、地下通路から逃げろ」というので必要なものだけもって地下通路から逃げ新しい基地に逃げた、ここで公安に捕まるわけにはいかない、北島さんは前の基地から出ていった。
元自衛隊はすぐに爆弾を作り始めた、亡くなった女の子のためにも威力が強いのを作らなきゃいけないと思った、今回も爆弾のセットはおじいちゃんだ、おじいちゃんが掃除屋に扮して校長室に入り爆弾をセットするのが流れになっている。
爆弾は一日半で完成した、翌日おじいちゃんは清掃員として学校に乗り込み校長室と職員室に爆弾をセットし、学校を後にした15分後に学校は爆破し、火の粉で燃え上がった。ご愁傷さまと思いながらおじいちゃんは学校を後にした。
ニュースでは連日の爆弾事件の事が扱われている、校長と目的の和田先生は亡くなったという、その言葉だけ聞ければよかった。この世から復讐が無くなる頃四人は爆弾魔として捕まっているかもしれない。
依頼の多い爆弾魔 興梠司 @asahina0606
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