本当、色々な意味で文章が綺麗。

 綺麗の一つは描写力。わかりやすく整頓され、そして的確に描写されている。読んでいてつっかえになるものを感じなかった。すらすらと読めて気持ちが良い。
 二つは展開。朝から始まる起承転結、それが長いようで短い終わりまでの道を歩かされているようでいい。会話の一つ一つが丁寧であり、後の全てを引き立たせている。また、転に近い結で終わるのも良い。
 三つは物語そのもの。たった五話、たった一日の描写で、これからの日々における絶望と哀愁、今をちゃんと生きている幸せを伝えきられるとは思わなかった。感服。
 文の綺麗さで気持ちよくなって、彼女らの今後を想像して気持ち悪くなって、こうしてレビューを書いている間もドリンクバーの飲み物を混ぜたかのような味が脳内を漂う。だがそのぐちゃぐちゃこそ、そのやり方こそ、綺麗だ。