第3話 赤ノ森の酔っ払い

穏やかな白ノ森を抜けて二匹は動物達が住み着く赤ノ森に差し掛かっていた。


「どーんな出会いがあるのかにゃーわくわく・・・」

にゃんまるが陽気に歌いながら歩いているといきなり、ももにゃんの右ストレートが飛んできた。


「にゃんまる静かに!!」


「なっ...なんなのだ!?」


「あそこみて、何かいるわ」


「ほっ...本当なのだ、何か倒れてる」


「なんにゃ!?猿?でも服をきてるにゃ」


「人間?っぽいわね。熊に襲われて死んだのかしら」


「ももにゃん縁起でもないにゃー」


倒れた大木に寄りかかり顔を三度笠で覆った人が倒れている。


・・・ヒック


!!?

「いっ…生きてるにゃー」


にゃんまるとももにゃんは恐る恐る近づいてみると真っ赤な顔で倒れてる男だった。


「なんかいい匂いがするわね」

「なんか臭いにゃー」


男の横にはお猪口と一升瓶が倒れていた。


「毒でも飲まされて倒れてるのかしら、ちょっとハンマーで叩いてみるわ」


「ダメダメ、ももにゃん、とどめを刺しちゃうにゃー!!!」


その時、突然男がむくりと体を起こした


「・・・ヒック、ん〜よく寝た。ん?なんだ猫か?・・・ヒック」


慌てて木の影に隠れるにゃんまるとももにゃん


「黄色と桃色の猫、へぇ〜珍しいもんだな!・・・ヒック。ちょっとこっちへ来て一杯やろう・・・ヒック」


木の影から様子を伺いながら小さい声で話す二人

「にゃんまるあの男なんか言ってるわね。」


「なんか毒をこっちに置いてるのだ。」


すると男が再び話しかけてくる

「・・・ヒック、なんだお前ら人間の言葉がまだ喋れないのか・・・ヒック。あっ!そうだ、たしかツマミにしようとしてた干物がこの辺に・・・」


そう言うと男は羽織の中をゴソゴソと探しはじめた。


「にゃんまる、気をつけるのよ。何か武器を出してくるかもしれないわ」


「わかったのだ」


「・・・あれー?たしかこの辺に・・・ヒック、ん〜どこだ?ん〜ん〜眠っ・・・クカ〜」

しばらく羽織の中を探した男は、そのまま倒れて再び寝始めた。


「また倒れたのだ!」


「毒が効いてるのかしら、今のうちにハンマーで・・・」


「ちょ、ちょ、ちょ・・・待つのだ、ももにゃん、とりあえず久遠様の所へ急がなきゃ!」


「それもそうね。今のうちに行くわよ」


「でもこのまま放っておいて大丈夫かにゃ?」


「大丈夫よ。なんかわからないけど大丈夫よ。」


二人はその場をゆっくりと離れ先へ急ぐことにした。


「それにしても人間なんて初めて見たにゃー。不思議な生き物にゃー。油断だらけなのに隙がないにゃー」


「そうね。それに何言ってるのかわからなかったわ。久遠様は普通に人間とも会話をするらしいわよ。やっぱりすごいわね。」


「やっぱりすごいにゃー、早く会いたいにゃー」


二人は




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

CryptoNyanco~千猫物語~ ミャース @metamews

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ