短編だからこそ、物語がふっと消えて終わるからこそ生きた物語だと思います。
短編に凝縮された作者様の意図に感動しました。
物語の終わりが儚いように、人の人生は儚く終わる物なのかもしれません。
ですが、今いる場所から終わりを見つめるのではなく、人生の最後から見つめなおしてみると、案外明るい光が射しこむかもしれません。
この物語を読んでいただければ、なんとなく共感していただけるのではないでしょうか。
平凡な毎日でも、ちょっと辛い日常でも、自分の人生を小話にしてみたら楽しいところがみつかるかもしれません。
この物語を読んで、そう感じてくれる方がいたらいいなあと思います。
もう、胸がつまって、読了直後は何も言えませんでした。とにかく読んでみて下さい。前回読ませていただいた「12月のラピスラズリ」の読後と同じように、私はいま、放心状態です。
渾身の力で最低限の作品紹介をさせてもらうと、この作品はSFファンタジーです。そこはしっかりとしています。同時に人生論でもあります。そして深い。若者に向けたメッセージ的な側面もあると思います。なので、このジャンル掲載となっているのでしょう。でも、そんな事はどうでもいい。
とにかく、ぶっ刺さります!
年長者であれば、特にそうだと思います。
短編なので、あらすじの紹介はしません。
レビュアーが自信をもってお勧めする一作。一読の価値あり!