第40話 ジャックの爛れた、その後(最終回)
「ジャック君。今日は私とね!」
「い~や、今日は、僕とだよな?」
「え、私とよ!そうでしょう?」
「もう~、私達4人はまとめということになったでしょう?」
マリア達が裸で、朝からジャックに、もちろん裸だ、その見事な体を擦りよせて、騒いでいた。ジャックはというと、ため息をつきながらも、今日という1日が始まったんだ、と自覚していた。
全てが終わり、後始末、遠く離れた地域の友好協定が締結された。何故か、ジャックが思うには、彼が主導するように進んでまとまり、本当の意味で全てが終わった、世界のまとまりまが決まったのだ。
しかし、最後の最後で、小さなこと、
「いいえ、一番重要なことです。」
「そうだよ、最大の功労者のことだからね。」
「最後にまわしてしまって、本当に申し訳なく思ってます。」
「それに、これなしには、元の木阿弥ですわ。」
ジャックのことだった。
“小さな領地の領主で、スローライフ…。”
「君を必要としているんだ、世界は!」
“は?自由大公、なにそれ?確かに途中で自由騎士とかなら…とか口走った覚えはあるけど…。”両大陸、各国に領地が与えられ、助言を与え、協力する…役職らしい。色々な必要経費は、各国から拠出されるし、別途年金の給付も…。“そんな重要人物がどうして僕なんだよー!”そうして、
「さあ、一番大切なことよ!私とジャック君(殿、様)との過ごし方。」
20人を超えた、マリア達を初めとする女性たちとの過ごし方が最後に残った。
「ジャック殿。大変だな…。」
「まあ、ジャック殿だから、女性達が…当然ではあるが…。」
「い、今から、私も加わっていいかしら?」
「みんなに慕われて…あの…実は私も…。」
「いい加減にしてあげようよ…。」
ジャックは、2大陸と魔界、そのそれぞれに領地が与えられている、どれも決して小さくはない、を年、4か月づつ過ごす。魔界の4人の魔族(妹達)、両大陸のそれぞれの関係者の女達はそこで過ごす、彼と。マリア達はというと、特別に彼に侍って移動することになった。マリア達は、どの地でも月一週間は彼を独占出来る他の女性たちは月に1日は彼を独占出来る。それ以外の日々はと言うと、例えば魔界なら、お姉ちゃん達、妹達8人が彼を囲んで過ごすということになる。ただし、魔王をはじめとする妹達には、月の内2日は、二人きりで過ごせることになっている。そして、他の女達も、それぞれの心情、事情に合わせた特別があった。そんな協定というか、取り決めがなされたが、彼は自分だけで過ごす日は、要求しなかった。
結局、彼は自分の領地の管理(多くは家臣、各国から提供された、彼に絶対的忠誠を捧げた有能な人材、がやってはくれたが、でも彼がやらなければならないこともおおいにあるのだ)から魔界、二つの地域の政治、経済への関与に務め、小は自家菜園、花壇の手入れ、色々な趣味の物の作成、研究活動やらをしながら、マリア達を初めとする女達との、ある意味忙しい、ある意味爛れた生活を続けたのだった。
ため息をつきながらも、周囲に心配されたり、精力抜群だと揶揄われたりしがらも、今日も、その夜、マリア達と風呂でねちっこい口づけをはじめて、
「お姉ちゃん達。愛しているよ。」
と頑張るジャックが、そこにはいた。
もちろん、マリア達をはじめ妹達、その他の女達は全力でジャックを助けているつもりだったし、実際その通りだった。
「僕は幸せ者なんだよな…?」
と呟くことはあっても、そのことで深く考える、悩む時間は与えられなかった、ジャックだった。
勇者チームから追放されたいのに… 確門潜竜 @anjyutiti
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