向かう先は鴨と女の居る極楽

鴨羽の煙管で吸う煙草はとても美味い。そのかわり廃人になってしまう。
愛煙家で好奇心が旺盛な男はその煙管に手を出した。
たった一回。それだけで十分だった。彼は煙管の魔性を身をもって知る。

蠱惑的な世界観、幻想的な文体が好みな人にお勧めです。是非読んでみてください。




※以下感想

“鴨”羽だから使用者は“鳥”頭になる。なんてお洒落な文章なんだろうと読み進めていくうちに「戴く頭が…」と対比になっているのだと、文章の重みに気づきました。壊れる頭を救う。なるほどそういう見方もあるのですね。

煙管の虜になった心情を、「あの女」で表現するセンスに目を惹かれました。自分はあの一文で、「煙管」から「あの女」に切り替えて男の末路を見届けました。