最終話 今までありがとう・・・
あれから、数日。
ユウヤは私の中からいなくなりました。
今でも寂しさはあります。
でも、日々が過ぎていく内に「いない」と言う状況になれてきました。
私はやっと一人で歩き始めたのです。
時々、私は夜に窓を開けて月を見ます。
ユウヤは「夜の月」のような雰囲気でした。
ユウヤがよく言っていました。
「ユウナが光なら俺は影だよ」
私は月に問いかけます。
「今度は肉体を持って生まれるといいね・・・」
私は光輝く月を見つめながら言葉を発します。
「さようなら。今までありがとう・・・」
私の頬を涙が伝いました。
ユウヤがいなかったら私はきっと生きることはできませんでした。
障害故の性質で今でもどうしていいか分からなくなることは沢山あります。
でも、一つ言えるのは過去に比べたらそこまで弱くは無くなったこと。
少しですが私は強くなれました。
でも、まだまだ弱いと言えば弱いでしょう・・・。
それでも、前を向いて歩き続けたいと思います。
ユウヤは確かにいました。
私の中に確かにいたのです。
こんなことを言っても誰も信じてくれないかもしれない。
それでもいいのです。
私が分かっていればそれでいいのです。
私は月に問いかけます。
「来世では今度こそちゃんと出会えるといいね」
私はそう言って窓を閉じました・・・。
******
(追記)
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
実はこの作品の後の作品で「光の架け橋 ~願いが届きますように~」という作品を書きました。これは、「半分だけの月」の、それから・・・といった作品になります。
良かったら一度、読んでみて下さい!
よろしくお願いいたしますm(__)m
半分だけの月 華ノ月 @hananotuki
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