言えなかったのは『愛してる』だけじゃない

舞台は東京⇔メルボルン。
メルボルンに住む主人公の真衣は、未だに色あせない恋心を持ちつつ、かつての恋人リョウに会いに行きます。
触れあっては離れる肌。出て来る言葉は他愛なくてもどかしい。
無常に過ぎていく時間。
そんな描写は二人がまだ愛し合っている事を色鮮やかに表現していて、微笑ましくも切ない。
回想シーンには多くの女性が自分と重ね合わせ、思わず『わかるぅ~』と共感の声を漏らす事でしょう。
読後にちょっとだけ疼く心の奥に刺さったままの棘も、この物語と出会えた事で気付けた宝物として大切にしたいなと思える作品でした★★★