ハーレムというナノ嘘というナノ真実

安田沙里

第1話「プロローグというナノ嘘」

 ―――西暦、2156年。


 ―――彼と初めて出会ったのは、新甲子園球場での出来事だった。


 「珍しいね、この時代に女子マネージャーなんて」

 「え?急に話しかけてきて、どなたですか!?私、一応、こういう―――」

 「大丈夫。しっかり申請書はあるよ・・・それより、このミサンガ」

 「ミサンガ?・・・あ!?」


 この時代、男子部活の女子マネージャーなんて幻といえるほど珍しかった。

 日本の情勢は大きく変化しており、過去の漫画で女子マネージャーが出てくるのが当たり前なんて描写を初めて読んだと時にはほとんどの人が驚くほど、珍しいものだ。


 「それ、どこで!?」

 「休憩室に落ちてた」


 そんな幻と呼ばれた男子野球部の女子マネージャーである私、石井真崎(いしいまさき)は新甲子園球場のピッチは確かめるためのテスト試合なのにも関わらず大忙しだった。

 あまりにもやることが多すぎて、ピッチや球場内など右往左往と無我夢中に走り回っていた。気づかずにその間に大切なミサンガが切れて、落としてしまったのだろう。


 「ちょっと待って・・・申請書出したってことは私が『適応者』だとわかったうえで、それを私に渡しに来たの?」

 「まぁ、そうだね」

 「そもそも本当に申請書出したかもわからないし、その証拠はどこにあるの?」

 「休憩所に置いてきてしまった」

 「じゃあ、落とし物を拾ってきてもらった身から失礼なことを言うけど、あなた結構まずいじゃないの?制度のこと、知らないわけないでしょ?」

 「あぁ、そうだね・・・」


 私は眉間にしわを寄せて、目の前に立つ彼をにらんだ。その時、気づいたがどこか彼の視線の先は私に向いておらず、どこか焦点の合わない上の空を見ているようだった。


 「制度ね・・・」

 「異性共生保証制度」

 「そういう名前だったな、そういえば」


 私が言う異性共生保証制度とは、男子が女子への性被害やそれに近い未遂の被害を過去にあったという人に適応される政府が成人前の女子たちを守る制度。

 その制度に適応される人は適応者と呼ばれ、また障碍者マークや高齢者マークなどといった適応者である印となるバンドが政府から配布される。

 もし適応者となる人が異性と話す場合は、異性からもしくは自分から、両者どちらかの申請書となるものが必要となる。


 要は過去に性被害を経験した女子、または男子たちを守るために異性との共生の中に制限を設けた政府が直々に出した新制度だ。


 「もし、私が飛躍してあなたを警察などに追放したら、あなたはただじゃすまないわよ。唯一、成人前の子供にも大きな刑罰を科せられる制度なのだから」

 「そうだね・・・」

 「だいたい、ミサンガって・・・それがミサンガじゃないことくらいわかってるのに、そんな紛らわしいこと・・・大切なものを拾ってくれた相手に対して、私は今相当警戒心を働かせてますよ!自覚あるんですか!?」


 でも、彼は落ち着いていた。

 落ち着いていたというより、つまらない・・・いや、興味や関心がないといった感じであきれた表情で彼は私の言葉を聞いていた。


 「なんですか、その表情!?」

 「汗」

 「え?」

 「君、汗かいてないけど大丈夫?」


 唐突に彼は話を変え、まったく意味の分からないことを言ってきた。


 「今日は第二段階夏だよ。最低気温で34度とかいうイカレタ暑さなのに君は働き者にもかかわらず、一つも汗がかいていなかった」


 その瞬間、なぜか私の足に力が入らなくなり、その場に倒れそうになる。

 まずいと思い、倒れる体を支えようと一歩前に足を踏み出そうとするが、体がいうことが聞かず、そのまままっすぐ前に頭から倒れそうになる。

 その時、彼が音を立てず瞬時に近寄って、私の体を大きな腕で支えた。


 「な!?」

 「ほらな」

 「ほらなって!あなた、私が適応者だとわかって―――」


 本当だったら拒絶反応を起こす、蕁麻疹どころじゃない。

 過去のことを思い出して、吐き気を催すだろうが、彼に支えてもらった瞬間、安堵の気持ちが体中に伝わり、今までにない居心地の良さを感じた。


 「汗が出ないってことは水分がない。水分を取らずにそのまま働き続ければ、疲労によっての脱水症状になるんだが、まさに君はそれだ!」

 「そんなことを言っている場合では!?」

 「制度も大事だが、今のようにアドレナリンが切れた瞬間、誰もいない。もしくは異性しかいない状況で誰にも助けられない状況になったら、どうするつもりだったんだ?・・・とにかく、君の体が心配でわざとバンドもミサンガとか言って気を引き寄せるためにそんな声のかけ方をしただけ、すまない。ほら」


 そういうと、彼は私のおでこに冷え冷えの水滴が大量についたアクエリアスの入ったペットボトルを当ててくる。まるで、恋愛漫画のような瞬間だった。


 「この後、もし俺に対して恐怖を覚えたのだったら、いくらでも警察に追放していいし、いくらでも情報を飛躍した伝え方で俺を社会的に殺してもいいよ」

 「な!?」

 「それより、君はもって自分の体を大切に考えるべきだ。休憩も十分に取れなければ、働くも十分になれず、無に等しい」

 「そ、そんなこと言われても」

 「制度よりも、俺は今、倒れる君の方が大事だと感じた」

 「え―――」


 初めてだった。

 その時、はじめて異性への違う気持ちが芽生えた。


 過去のことから、多く偏見を持っていた。そもそもそれが偏見だとも思っていなかった。

 男は性に生き、性で行動を起こし、性によって終える。

 性だけで生きている一生思春期で、馬鹿で、どうしようもない人類だと考えていた。

 ただ、そういう異性と付き合えなければどんな制度で守られていたとしても、社会的に生きていくのは難しいってことは何度も学校という小さい社会の箱の中で感じ、私は異性とも付き合っていけるようにと思い切って、男子が多く群がる男子野球部の女子マネージャーになることを心に決めたが、今日まで暗い雨の日々だった。

 しかし、やまない雨はない。

 曇りの中に振り続ける雨はやみ、灰色の雲の間から大きな日差しが姿を現す。

 彼だった。


 「今何も考えなくていい。自分が呼吸をするということだけ・・・しっかりと」


 彼はそう言って、球場内にある休憩所まで私を運び、大きなソファに私を寝かせて、看病をする。その間、襲い掛かる睡魔に耐え切れず、そのまま眠ってしまった。

 このような異性と二人っきりの空間で寝ることなんて、ありえない。

 しかし、彼は違う。

 別格な安堵を感じ、体彼との二人きりの空間を許して、そのまま目を閉じ、夢の中に潜ることを許した。意識は、休みを受け入れた。


 「あ!?」

 「大丈夫ですか?」


 目を覚ましたらすでに試合は終わっており、副顧問である女性の先生がソファに横たわる私の隣に心配した深刻な顔で座っていた。


 「さっき、あのぉ・・・」

 「ごめんね、ごめんね、ごめんね!!!」


 泣いて抱き着いてきた副顧問の先生に後で、例の彼の申請書を見せられたが、申告な表情で「通報しましょ」と言われたが、私は落ち着いてた。

 というより、少し寂しかった。

 なんで、彼はここにいないのか。


 「あの、彼は―――」


 そう言っても、無理しなくていいの一点張りで副顧問は何も答えてくれない。

 正直、通報とかどうでもいい。

 とにかく、彼の名前くらい教えてほしかったが申請書の名前の部分も私のためだとて副顧問の先生の手によって黒い線で塗りつぶされており、何も彼の素性をつかめないまま、私が首に横を振って、私のその日の一日が終わった。


 いつか読んだ平成時代に少女漫画に出てくる「運命の王子様」はロマンチックで理想的だが、合理性を考える今の世の中にありえない存在であり、ましてや私にとって受け入れられる存在だと思っていなかった―――否、早く「運命の王子様」にいつ会えるかと期待をしていた。しかし、彼は現れない。


 それから、二年ほどが立ち、忘れられない彼の記憶だけが私の心を締め付けるように苦しめ、私の体は大人に成長し、また彼のおかげで多少男性への警戒心が和らいで大学を進学することが出来た。


 ―――と、こんな私の心に消しても消しても消えない大きな思い出を大学の友人に語っても、誰もそれを信じる者はいない。


 「だって真崎、適応者じゃない?」

 「違うの!適応者でも、症状が出ない存在がいたの!それが、彼!」

 「嘘、嘘!だって入学式であなたと出会ったときのことを覚えている?」


 案定大学、都内有名私立大学を入試テストトップで合格をし、入学を望んだ私は大学から入学式の入学生による代表の言葉を任され、日本武道館のライトに照らされた壇上に上がって見事な代表の言葉を成し遂げた後、近くに来た来賓の方の一人の男性が足をくじいて、私を押し倒してしまったとき、大量の下呂を口から吐き出してしまった。

 その時、助けてくれたのが、毎日のように学食で一緒に食事をする目の前に座っている同い年の学内の友人、大久保美緒(おおくぼみお)。


 「それは・・・」

 「だいたい、しっかりと制度があるんだから、無理なんかしなくていいの。今後、異性との関係を築かないといけないコミュニケーションの場はあるかもしれないけど、今無理必要することはないわよ。そんな妄想しなくても、今十分に適応者としてうまく異性と話していたりしているわよ」

 「いや、妄想じゃないわ!彼は、別枠なの!」

 「はいはい・・・で、この後どうするの?」

 「え?」

 「そんなあなたが克服しようとする異性様から、電話番号が書かれた紙切れをもらい、申請書とともにラブコール。相当な実績のある有名な人にお誘いをもらったらしいけど、行くの?」

 「行く!」

 「え?」

 「行ってあげるわよ!そんなに言うなら、私が今までの重度な適応者出ないところ、見せて上げるわよ!」

 「あなた、本気で言っているの?」


 現状、適応者という制度を作ったのは大きく女性に対する政府の考えが変わったことを象徴するものだったが、女性に対する意識を変えるのは政府の役割ではなく、国民たちの役割であるという問題が逆に浮彫になりつつあった。

 今のように適応者に対する無意識な配慮は、行き過ぎた差別になりえて、はたまた適応者自身にもこの制度はとても生きるにあたって弊害を及ぼすものだと実感するときがあった。


 美緒の忠告を振り切って、情動的に大学一有名なテレビ出演もあるバスケ部のバスケ日本代表候補ともなる部長さんに呼ばれた飲み会に参加してしまった。

 まさにこういうことが大きな弊害となる。

 適応者の中に多くの人がおり、私みたいに克服しようと思っている人もおり、たまにこのように情動的に動いて、危険を及ぼすことになってしまうのだ―――しっかりと、美緒の忠告を感情的にならず、落ち着いて聞けばよかったと後悔したときはすでに遅かった。


 「おい、そいつを荷台のほうに運べ!」

 「あっちの道はアルコール検査する警察が角に隠れてたって、酒場にいたおじさんから聞いたから、あっちの細い道を使えば、大丈夫だ!」

 「おし、このままこいつをお持ち帰りして、俺たちで育てるぞぉ~」


 三人の男の声だけが聞こえる。

 しかし、彼らの姿は見れなければ、彼らから逃げるための悲鳴を上げる手段もふさがれていた。

 大きなワゴン車だろうか。

 その荷台に三人のバスケ部の男にまるで物のように運ばれた私は、投げ入れられるように荷台に乗せられた。


 「おい、早くしろ!」

 「俺ははじめてなんだよ!」

 「これだから、くそ後輩は!早くしろ!」


 三人の声も顔も身元も分かっているのに抵抗もできなければ、通報もできないし、悲鳴を上げて誰かに助けを求めこともできない。

 やはり制度を作れど、いつの時代も悪いことをするものは消えない。

 逆に悪いことをする人にとっては、制度なんかどうでもいいことなのだろう。


 過去と同じように同じ大学のバスケ部の人たちによって、適応者を狙った拉致被害にあった私はいつも以上に落ち着いていた。

 酒場で飲まされた睡眠薬と精神安定剤による効果だと思えるが、それ以上にすでにこの治らない世界の治安に呆れた心があった。


 「よし、出発するぞ!」

 「早く乗れ!」

 「先輩、俺こういうの初めてで、とても楽しみっす!」

 「はぁ~、味見は俺たちが先だ!お前は最後だぞ!」


 ワゴン車が動き始める振動が体に伝わってくる。

 出発するのだろう。


 強姦か。

 薬か。

 売春の教養か。

 最悪、人身売買、もしくは臓器もやられるかといったことを想像するが、もうすでにあきらめていた私は希望を捨て、暴れることなく、荷台の中で静かにその時を待っていた。

 悪いやつ、いつ、どの時も悪い―――


 その逆もしかりだ。


 「これだからもう・・・」


 聞き覚えのある声。いや、聞きなれるというほどに聞いた声でもないのにあの瞬間から、消えずにずっと大切に残してしまった、消えない記憶。


 「君はもうちょっと自分を大切した方がいい―――」


 またこの安堵した空気が私を安らかな眠りにつかせる。

 今まで、睡眠薬を飲まされても寝ないでいたのはどこかあきらめたくない気持ちがあったのだろう。抵抗しないとは言っていたけど、どこか限りない希望を、光がさしてくれるのを期待していたのかもしれない。

 そして、待っていた日差しはしっかりと私の前に現れた。


 私が次目覚めたのは、知らない白い天井の舌におかれたベッドの上だった。


 「あれ・・・」

 「ごめんね、ごめんね、ごめんね!」


 どこか見たことのある光景だった。

 それはいつの日かみた記憶と重なり合う。


 「本当にごめんね!もっと友達として、あなたを必死に止めるべきだった!真崎、本当にごめんね!本当にごめん!」


 ベッドに横たわる私に抱き着いてきたのは昼間見た化粧の整ったきれいな顔とは思えないほどに泣き崩れた美緒の顔だった。


 「美緒・・・」

 「本当にごめん!バスケ部で日本代表っていうほどの人だから、大丈夫だと信じ切ってた。違ったの。そんな人でも悪い人は、悪い。それに美緒が適応者だから、悪い人は弱い人を狙う。もっと美緒のために警戒するべきだった」

 「いいや、感情的になった私の方が―――」


 「いいや、どっちも悪くないと思うぞ」


 そこに病室にもう一人、高身長の男が立っていた。

 飲まされた睡眠薬や精神安定剤も効果が切れているだろうから、今の不安定な状態で男を目の前にしたら入学式の時みたいに吐いてしま―――そんなことはなかった。

 彼の顔を見るなりに私の心臓は衝撃とともに激しい鼓動になってしまうかと思わったら、今以上に安らげる落ち着いた気持ちになっていく。


 「逆に無理に騒がず、心を落ち着かせて、よく耐えた方だと思うし、いつこんなことが起きるかわからないのにしっかりと友人のことを考えて、動いた君もすごいと思う。正直、こんな友人想いのできる人はあまりいないでしょ。あんたら二人とも、今回の件に一切の非はないと思うぞ。あるのは、悪いやつだけだ。あそこで起こったこと、すべての責任を問うべきものは彼らのみ。君たちは、自分たちをもっと評価すべきだ」

 「あ・・・」


 当時と顔はさほど変わらない。

 ただ、当時以上に身長は大きいか、もともとかわからないが、ベッド近くのライトだけでなく、病室の全体の電気をつけて、もう少しはっきり見せてほしい。

 今、目の前で話している男の姿をもっとはっきり見たい。

 私の眼は覚醒し、ゆっくりと体を起こす。


 「こ、これは・・・美緒、落ち着いて!彼は、ほかの男と違って・・・」

 「わかってる」

 「え?」

 「それより、ここ個室?」

 「ま、まぁ・・・そうだけど・・・」

 「電気つけてほしいな」

 「何かあったの?」


 そう言って、美緒は立ち上がり電気のスイッチがある出入り口のほうに近づこうとすると、彼はそれを静止させるように注意した。


 「今時刻は深夜の四時、もし流血とか電気つけなければいけない緊急事態がなければ、つけない方がいいぞ、看護師さんたちのために」

 「え?」

 「入院患者の採決などは朝の五時といった早朝に行われる。もうそろ、採決をする患者のための用意とかあるだろうし、ましてや、ほかの重傷者に気を張らないといけない重労働の看護師さんに私的な理由だけで無駄に動かすと申し訳ない」

 「いやでも、ナースコールを押したわけではないし」

 「意外と看護師はプロの意識をもって、見張っているものなんだ。全部屋消灯しているにも関わらず、一つの部屋だけに電気がついていたら見回りなどの人が駆けつけてくるだろうな。それほど一瞬のすきも許さないのが、病院という場所だ」

 「・・・本当に理想的な人だ」


 つい、そう言葉が口からこぼれてしまった。


 「真崎?」

 「やっとしっかり会えたと思ったのにそうやってやさしさで防がれるのはなんか、いやだな・・・」


 もどかしい。

 下から顔にまで暑い熱が伝わってくる。

 体に乗せられたかけ布団をつい避けたくなってしまうほどに。

 言いたい、でも恥ずかしいと思ってしまう。

 なんだろう、この気持ちは。


 「ねぇ・・・さ」

 「うん?」

 「こっちに来てよ。顔、見たい」

 「真崎!?」


 今までの適応者の面だけを見てきた美緒には驚きの発言だったのだろう、目を見開いてこちらを見ている。

 大丈夫、私も同じ気持ちだ。

 つい言葉にしてしまった自分のその言葉に驚きが隠せないが、ここでまた何も聞けず運命の出会いを潰えてしまうのは嫌だ。

 彼のことを知りたい。


 「ミサンガの時の・・・」

 「そうだな・・・ミサンガ、バンドを広ったときのものだ。同じ大学の商学部に通う、北上聖人だ。別に忘れてもらっても構わない」


 そう、忘れられない存在。

 「運命の王子様」である彼だ。


 「え?もしかして、真崎の言っていた!?」

 「そうだよ!ほら、証拠の人!」


 これ以上にうれしいことはない。

 今まで友人に嘘だと笑われていたことが嘘でないことを証明できたうえにその真実の中の記憶に残る「運命の王子様」との再会を果たすことが出来た。

 なんて嬉しい一石二鳥なのだろうか。


 「絶対に忘れない。これまでも忘れなかったもの―――」


 たった三日ほどで退院した私は急いで家に帰り、ある支度を始めた。

 これまで培ってきた準備などがやっと、やっと、やっと・・・目的を果たせる。目標を確認できた以上、これまで培ってきたキャラづくりもふるまいもすべて成功だ。

 これで本来の仕事である目的を本格的に取り込める。


 「北上聖人って言うんだ。ちゃんと調べていた通り・・・助けに来てくれたね・・・次は絶対に見失わせないから・・・殺すまで」


 彼という「運命の王子様(あんさつの標的)」をもう逃すわけにはいかない。

 そのための生まれてきたときから、準備だった。

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