「先輩！つきあって！」

先輩と後輩

「先輩はうちと付き合うべきですよぉ。」

「だから先輩うちと付き合ってくださいよぉー。」

『付き合うって、何処に？』

「そうじゃないー、先輩ったら！もう！わかってるくせにぃー。」

『じゃあわかってないから嫌だ』

「えー先輩そんなにはっきり言ってほしかったんですかぁ？」

「しょーがないですねー、うちとお付き合いしてカップルになろうっていってるんですよぉ。」

『嫌だ。』

「先輩ったら嫌だ嫌だって拒否してばっかり！イヤイヤ期ですかぁ？」

『なんでも嫌なんじゃない、単にお前と付き合いたくないだけだ。』

「えー！？先輩みたいなのがこんなにかわいい超絶美少女と付き合えるんですよぉ？どこに不満があるのぉ？」

『全部だよ、全部。お前みたいなやつと付き合ってると劣等感でおかしくなる。』

「先輩うちに劣等感感じてたんですかぁ！？知りませんでしたぁー。」

『うっざ、知ってて言ってんじゃねーよ…』

「そんなこと知りませんよぉ、ちなみにどんなところに劣等感感じてたんですかぁ？」

『ほんと鬱陶しいな、言いたくないって言ってるだろ。』

「えー、才色兼備で文武両道なうちに劣等感感じるところなんてないと思うんですけどぉ？」

『やっぱりわかってて言ってるじゃねーか…』

『そういうとこだよ、そういうとこ。お前より明確にに劣ってるのに付き合いたくなんてねーよ。』

「えー…そんなこと気にしてたんですかぁ？」

「そんなこと気にしなくてもいいんですよぉ？この学校で私より優れた男なんていないんですから、誰が付き合ってもいっしょですよぉ？」

『それでも嫌なものは嫌だ。あとお前のこと好きじゃない。』

「なんでですかぁ？うち先輩のことこんなに好きなのにぃ。」

『嘘つくなよ、好きならなんでこんなに煽るんだよ。』

「嘘じゃないですし、煽ってないですよぉ…そういった風に聞こえるのはぁ、ぜ・ん・ぶ愛情でーす！」

『うっざ、ほんとにどっか行ってくんねーかな。』

「どこにもいきませんってば、友達がいない先輩のためにこんな幽霊部員しかいない部活に毎日出てるんですよぉ？」

『俺は別に幽霊部員しかいなくてもいいんだよ。お前もどっか言ってくれて全然かまわないんだよ。』

『逆にどうやったらここに来なくなるんだ？』

「えー？私が先輩と付き合うのを諦めたらですよぉ？」

『ふーん、そうなのか…』

「だから付き合ってくださいってぇ。」

～次の日～

「先輩、付き合ってくーださい！」

『いや、それがな…』

「あれ先輩どうしたんですかぁ？そんな真面目な顔しちゃって？まさか付き合ってくれるんですかぁ！」

『いや違うんだ、昨日彼女ができてそれを…』

「は？」

「何言ってんの？」

「先輩に彼女なんてできるわけないじゃん。」

「嘘つくなよ」

「そもそも帰った後見てたけど、そんな素振りなかったじゃん。」

「私から逃げるためか？」

「そんなに私のことが嫌なのか？」

『おい、そんなに詰めてくるなって…』

「いや知らないから。」

「いま私が質問してんの。」

「はやく答えろよ。」

「なあ」

「おいって」

「答えろよ！」

『嘘です…』

「…だと思ったぁ―！先輩に彼女できるわけないですもんねぇ！」

『雰囲気変わりすぎじゃない…？』

「雰囲気？何のことですかぁ？」

『いやさっきまで…』

「うち何のことかわかんなぁい。つーか先輩なんでそんな嘘ついたんですかぁ？まさかうちの気を引こうとして彼女ができたなんて嘘ついたんですかぁ？」

『いや単にお前がはなれてくれるかとおもって…』

「うちが彼女できたくらいであきらめるわけなくないですかぁ？つーかそもそも先輩に彼女できるわけないしぃ。」

『いやでもお前…』

「私も嘘ですよぉ？先輩だって嘘だったんでしょ？」

『まあそれならまあいいけど…』

「というわけで先輩付き合ってくださいね？」

『いやそれは嫌だけど…』

「えー、嘘ついたんだからいいでしょぉ？」

『お前も嘘ついたんだろ？ならどっこいどっこいだろ。』

「むー」

～1ヶ月後～

「先輩、ニマニマしてどうしたんですかぁ？」

『いやな、昨日な、うへへへ…』

「先輩笑い方きもーい、つーかはやく言ってくださいよぉ。」

『いやな、昨日告白されたんだ！』

「は？」

「なんで？」

「…あー！先輩また嘘ついたんですかぁ？もううち騙されないですよぉ？」

『ん？嘘じゃないぞ？昨日から付き合うことになったんだ。』

「またまたぁ。先輩もういいですって！うちそれじゃ離れないですよぉ？」

『あ！』

『うん！嘘だ！告白されたなんて嘘！お前は気にしなくていいぞ。』

『じゃ、俺もう帰るから！』

「は？おい待てよ！」

「なんでやばいって顔した！私にばれちゃいけないことだったのかよ！」

「おい待て！帰んなって！」

「嘘だと思うじゃん…」

「うわほんとに先輩女の人と一緒にいる…」

「なんでなんだよ…うちの方が絶対先輩のことわかってるし、先輩のこと好きなのに…」

「どうしよ…」

「うん…あれしかないよね…」

～数か月後～

『いやー彼女できてほんと良かったなぁ。』

『趣味の合う彼女ができたし、毎日が楽しいしでいいことばっかり。』

『それに加えて何よりあいつが来なくなったのが何よりうれしい！』

『あいつの近くにいるとほんとに劣等感感じでつらいから来なくなってほんとによかった…』

『でもあいつここ数週間くらい学校すらきてないんだよなぁ…ちょっとだけ悪いこと舌かな。』

『でも最近ほんと楽しいわ！ただいまー！って誰もいないんだけど。』

「おかえりなさぁい、先輩…」

『？！おま….』

「はーい、先輩ちょっとの間おやすみ。」

～～～～

『…？あれここ何処だよ？というか何があったっけ…？』

「先輩はここまでうちが運んできたんですよぉ？重かったんだから感謝してくださいねぇ。」

『あ！そうだお前に気絶させられたんだ！というかこの縄はやくほどけよ！』

「嫌ですよぉ？なんでそんなことしなきゃダメなんですかぁ？」

『はぁ？！お前何やってるかわかってんのかよ！』

「わかってなきゃやんないですよ？先輩がいつまでたってもうちに答えてくれないだけじゃなくて他の女に現を抜かすからこんなことしてるんですもん。」

『俺はお前と付き合うつもりないっていってるだろうが！』

「別にいいですよぉ？」

『は？』

「最初は先輩と付き合いたいなぁって気持ちだけで告白してましたよぉ？でもそれじゃ先輩ほかの人の物になっちゃったじゃないですかぁ？」

「それがうちには耐えられませんでした。」

「だから先輩が誰の物にもならないように閉じ込めちゃえばいいんだぁって思ったんですよぉ。」

『マジかよお前…』

『もうお前のこと理解もできない上に、二度と話したくないわ…』

「別に話してもらわなくていいんですってばぁ。先輩が誰の物にもならなきゃそれでいいんだもん。」

『…』

「あれもう話さないんですか？」

『…』

「いつまでそれできるんでしょうね先輩。」

～数か月後～

「ただいまぁ、先輩元気ですかぁ？」

『…』

「今日もだんまりですかぁ？」

「いい加減さみしくないんですかぁ？」

『…』

「まあいいですけどぉ。」

『…』

「あ！そうだ先輩！先輩には伝えてなかったんですけど、先輩が世間的に行方不明になってからかなり時間経ったじゃないですかぁ。」

『…』

「あ、興味津々だぁ。数週間経って学校に先輩のこと気にしてる人いなくなっちゃいましたよぉ？」

『…！？』

「あれ、驚いた顔してる。クラスメイトは勿論のこと、彼女でしたっけぇ？あの人も気にしてないですよぉ？よくあんな人彼女にしましたね？」

『…』

「あ、泣きそうな顔してるー！気付いてなかったんですかぁ？先輩に興味ある人間なんて学校にうちくらいしかいませんでしたよぉ?」

『…』

「そんな顔しても無駄ですよぉ？私先輩のこと解放してあげる気ないんで。」

『…ぉぃ…おいそれほんとかよ…』

「あ！先輩久々にしゃべったー！」

『そんなこといいからさっきの話ほんとかよ…』

「ほんとですよぉ？なんなら証拠見ますぅ？先輩の彼女だった人もう別の人と付き合ってますよぉ？ほら写真。」

『まじかよ…』

「ほら先輩のこと思ってるのなんて私しかいないんですからぁ。私のものになりましょうよぉ。」

『…』

「あ、また黙っちゃったぁ。まあしばらく考えといてくださいねぇ先輩？ここにちゃんといるなら私だけは愛してあげますから。」

『…』

～数日後～

『なぁおい。』

「はいはーい、どうしました先輩？」

『この前言ってたことってほんとかよ。』

「この前って何ですかぁ？」

『あの愛してくれるとかどうとか…』

「ああ！あれですかぁ！ほんとですよぉ？それがどうかしたんですかぁ？」

『もうお前から逃げないからお前にだけでも愛してほしいって…そう思って…』

「！ほんとですかぁ！先輩！ついに決断してくれたんですね！」

『ほんとだから、ほんとだから引っ付くな！恥ずかしいだろ…』

「先輩急に素直になりましたねぇ。まあかわいいからいいんですけどぉ。」

『うるせーよ…』

「あー、照れてるぅ。」

「そんなことより、先輩が素直になったお祝いにお寿司でも買ってきますねぇ。おとなしくしててくださいよぉ？」

『ああ、わかってるよ』

「じゃあ行ってきますねぇー」

～～～

「素直になった先輩可愛かったなぁ。」

「やっぱり閉じ込めて正解だったよねぇ。」

「そのおかげで誰も興味ないって嘘も信じてくれたしぃ…」

「…」

「そうだ！お寿司のついでにケーキも買ってかーえろ！」