第24話 黙って手当を受ける事ね


屋敷に戻ってこればリートは客室に彼を寝かせ手早く傷の処置を行った。傷の容態を聞けば中々に酷かった。


「腹部に大きな切り傷がありました。お嬢様の見立て通り混血種の攻撃を受けたものかと。あれで死なないのは神からの加護のろいを貰っているからでしょうね」


「……そう。ねぇリート。その混血種どんな奴か分かるかしら?」


「……時間をいただければお探ししますが……」


「そう。頼んだわよ。」


私はそう告げてから自室へと戻り小さく息を吐いた。リートの言う通りどうしてあの人間を捨て置かなかったのか……そんなもの私が知りたい。


「……私らしくもない。神父なんてお父様達を殺した最低な奴らなのに……私は……どうして……」


小さく呟いたあと軽く目を閉じていればドンッと大きな物音がして部屋から出てみれば客室のドアが開いていた。私はため息を吐き客室へ近寄り中にいる人物に声をかけた。



「屋敷が壊れるわ。神父さん?」


「っ……煩い!早く俺を教会に……!」


「……その傷でどうやって教会に戻るの?途中で力尽きて私たち以外の吸血鬼に喰われるだけよ。」


「黙れこの穢れた種族が……!」


その言葉に私は目を見開いたあと掌に爪が食い込むほど強く握りしめた。


「穢れ……穢れ……ね。なら神様とやらの加護を貰っている貴方達神父は穢れてないと?私からすれば貴方達の方が穢れているように見えるわよ……!」


私はそう告げて彼を睨みつけた。そんな事言われる筋合いは無い。でも神父は私のお父様やお母様。更には妹までをも奪った。私からすれば神父の方が余程穢れた種族だ。


「……暫くは屋敷から出ることは許さないわ。黙って手当を受ける事ね。ごきげんよう」


「っ……おい待て吸血鬼……!」


私は彼の言葉を遮るようにドアを閉め丁度様子を見に来たであろうリートに結界を張って彼を出られないようにするよう指示を出しもう一度自分の部屋へと戻った。


「……本当にふざけてるわ……」


そんな事を呟いて私はそっと意識を落とした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

貴方は神に誓うなら私はこの血に誓う 綴音華柏(つづねこはく) @kohaku_1105

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ