漫才:盗人たけだけしい
藍染 迅@「🍚🥢飯屋」コミカライズ進行中
漫才:盗人たけだけしい
A:「おめえに言いたいことがあんだけどが」
B:「何だ、言いたいことって?」
A:「分かってるだろうに! 盗人たけだけしいってのはおめえのことだっぺ!」
B:「いきなり何言ってんだ? 泥棒なんかしてねえって」
A:「しらばっくれてんじゃねえ! こないだも盗んだろうが?」
B:「人聞きが悪いな。何盗んだって? 言ってみろって!」
A:「俺の目を盗んで、パチンコ屋行ったっぺよ!」
B:「パチンコぐらい行くだろうよ! 何だ、目を盗んだって」
A:「おかげで俺はあれから競輪行っても、目が出ねえんだよ。あんとき盗んだ目ぇ返せ!」
B:「知らねえよ! おめえが勝手に負けてるだけだろ」
A:「他にも盗んだもんあっぺ? 素直に吐いちめぇ」
B:「盗んだもんなんかねえって」
A:「嘘つけ! 居酒屋で盗み食いしてたべ?」
B:「ふざけんな! ちゃんと金払って飲み食いしてるわ」
A:「打ち上げで『笑笑』行って、お通しの『
B:「それは食べもんの名前だっぺ! ままかりなら借金になんのかよ?」
A:「何だおめえ? 西日本のグルメ番組狙ってんのか?」
B:「狙ってねえよ! 出られたらうれしいけどよ」
A:「いやしい奴だな! そういうとこが盗人根性って言われんだよ」
B:「誰もそんなこと言ってねえだろ? お前だけだわ。他人のこと泥棒扱いして」
A:「そういや盗み聞きもしてたな?」
B:「そんな行儀の悪いことしねえよ」
A:「いいや。俺のイヤホンから漏れてる曲に合わせて体でリズム取ってたっぺよ!」
B:「ボリュームがデカすぎんだろ! 音漏れしてるだけじゃねえか」
A:「音だけじゃねぇぞ。俺の携帯盗み読みしてたっぺ?」
B:「盗み読みなんかしねえよ! 何の話だって?」
A:「ラインが薄くなったの、後退したのって……」
B:「生え際の話だな? 携帯に関係ねえっぺよ」
A:「じゃあ、決定的な話してやっから」
B:「何だよ? 決定的な話って?」
A:「おめえ、俺の財布から金盗んでるだろ?」
B:「ふざけんなよ! そんなことするわけねえだろ?」
A:「ごまかしてもネタは上がってんだよ。パチンコ屋行った帰りにぶつぶつ言ってたろが?」
B:「何言ってたって?」
A:「今日は『1万スッた』『2万スッた』って、言ってたろが!」
B:「パチンコ屋で負けただけだっぺ! おめえとはやってらんねえ。やめさせてもらうわ」
A/B:「どうもありがとうございました!」
(おわり)
漫才:盗人たけだけしい 藍染 迅@「🍚🥢飯屋」コミカライズ進行中 @hyper_space_lab
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます