第21話 自分の愚かさに気づかない
白桜さんは雄大に歓迎会で欲しいものを聞いた。
雄大は白桜さんを見て言った。
『俺は何もいらない。欲しいのは見習いっていう称号から団員になって、魔法を使えるようになることだ』
白桜さんは困ったように言った。
『見習い期間は玉田団長が決めるから、そんな出来ないことを言うな』
『じゃあ、早く団員になるために魔法を使わせてくれよ』
白桜さんは雄大の胸ぐらを掴み言った。
『半人前が一丁前のことを言うな。魔法を使いたいなら、先輩の言うことも自分の愚かさも全部さらけ出せ。どうしてお前は誰に向かっても牙をむくんだよ。ちょっとは秋を見習えよ』
雄大は白桜さんに唾を吐き言った。
『秋...あきって、みんな秋が好きなんだな。あんな小さな子がこの先ここで生き残るなんて分かりもしないのに、周りはみんなあいつのことを気にかける。ちょっとは俺のことも見てくれよ』
『何言ってるんだよ。お前は秋よりも一回りも大人だろ。あいつの兄の代わりになるのがお前の使命だろ。甘ったれるな』
白桜さんは自分の顔についた唾を魔法で取り除いた。
白桜さんは雄大の腹を1発殴り言った。
『顔は悪いからな。これでおあいこだ。明日の歓迎会は必ず参加しろよ。はー、まともに相手なんかするんじゃなかった』
雄大は殴られた腹を抑えながら、黙って白桜さんを睨め付けた。
白桜さんは秋の元へ帰って行った。
電話ボックスの幽霊 ソノハナルーナ(お休み中) @eaglet
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。電話ボックスの幽霊の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます