気軽にサクッとSAN値直葬

ある一人の人間の手記という形式と、時折テンションがやけに高い主人公の語り口が最期の急展開になり分かって物語としての面白さを感じた。
最初はただの研究報告書化と思われていた文章が、その最後の瞬間に死へと向かっていく人間の走馬灯のようにも思えて、主人公の死をより実感し、クトゥルフ的なホラーを体現させていると思う。
また、クトゥルフ特有の恐怖として、身近な日常に潜んでいる恐怖というのもラストの描写や歴史と絡めた設定からも伝わり、短い中でよく纏まっているとも思う。

一言紹介にもある通り、サクッとクトゥルフの面白さを体験できる作品だ。