まさに宝箱を開けるようなドキドキハラハラのストーリー

落ちこぼれ魔術師リウトと老騎士ダリル。周囲からお荷物あつかいされているふたりの成り上がりストーリーである本作に、ヒロイン・ローズがパーティに加わる展開が、斬新なエッセンスになっていると感じました。どんな鍵も開けてしまう解封師。なるほど、考えてみればすごいスキルです。この宝箱からは何のアイテムが出てくるのかな? と誕生日やクリスマスにプレゼントを紐解くようなワクワク感を味わえます。

物語冒頭から喧嘩ばかりしているリウトやダリルも、敵に襲われたときはローズを逃がそうとするなど、本当の馬鹿や臆病者ではできない勇敢なふるまいをかいま見せてくれます。そうした愚直なまでの正義感が、ふたりの魅力でもありますね。

リウトが大学で受けた仕打ちや過去には、胸が痛みました。ですが、リウト自身さえ否定していた彼だけの才能に気づき、真っ直ぐな言葉をかけたローズ。彼女の存在がしだいにリウトたちの中で大きくなっていき、三人の絆が深まっていく展開に心洗われます。

決して恵まれた境遇ではない彼らですが、それぞれの秘められた力を駆使して困難に立ち向かっていく今後のストーリーにも期待です。

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