中編

注意

このお話では、多少のDV等の暴力描写、流産表現、その他残虐性のある描写があります。

苦手な方は読まないでください。

それに関するもので、読了後の苦情は受け付けません。

あまりにも不謹慎でしたらご指摘下さい。

大丈夫な方のみ、続けてください。






「…………俺が、呼んだんだ。」


「……え?」

意味がわからない、と固まってしまう結月。

「ど、どういうことなの…?」

説明を急かすと、総一郎は頭をぽりぽりと掻いて

「あくまで推測に過ぎねぇがな…」


総一郎の説明をまとめるとこうだ。

・結月の持っていた石の存在は全く知らず、そんなものは伝承されていない

・さらにその石には自身の妖力が最高密度で詰め込まれていて、人一人の時空を歪めるぐらいなら可能

・しかしそのような石を作ったことはない


「つまり…未来でなんかあった俺…俺らがより未来の奴らに助けを求めたってことだろ。そうすれば色々と辻褄が合う。」

結月も考える。

確かに自身が江戸時代に来たのは儀式で石を伝承した瞬間。その瞬間になんらかの条件が満たされて石に詰め込まれた妖力が結月を江戸時代に呼んだ…そう考えられる。だが…

「なんで私なの…?貴方の仮説が正しいなら、私の時代まで二百年以上あるわ。それなのに今までこんなこと起きたことない…」

総一郎がぐ、と眉間に皺を寄せると

「多分、それは…

君が、とんでもない妖力の持ち主だからだ」

「え…と…?」

流石の結月も限界だと言わんばかりに座り込む。情報量が多い。

混乱してきたと頭を抱えてしまった。

「ああ、えとだな、多分だが…」

「多分多いわね…」

「…勘弁してくれ。話戻すが、君がめちゃくちゃ妖力強いから呼ばれたんじゃないかと思うんだ。」

再び説明を強く求める結月。

どこか紡に似た目をしていると汗をかく総一郎だが

「これほどまで詰め込まれた妖力。とても必死だ。そこまでのことがあったとしたら?

—もしも到底俺らでは勝てない厄魔が発生したとすれば?」

「……っ!」

何かを思いついた結月。ゆっくりと、重い口を開けた。

「…総一郎達では到底敵わない厄魔が生まれた。だからこの石を作って、伝承させ、私を…その厄魔に勝てる可能性のある者を呼び出した…」

総一郎が小さく頷いた。

「だが、何度も言うがあくまで仮説だ。それを裏付ける証拠がほしい。」

総一郎の言葉に訝しげな視線を向ける結月。

「…できるの?未来の話よ?」

「君も神華の者なら知っている筈だ。この教えを…」

少し考えると、ひとつの事を思い出した。

「「石や水などの自然は覚えて繋いでいる。全てを。」」

声が、重なった。

思わず、こんな状況なのにくすくすっと二人で笑う。

笑いの波が引くと

「じゃあこの石の記憶を読めばいいのね?」

「流石、察しが早い。」

総一郎が石を握ると、握った手や石が光り出す。どうなるのか、と結月が唾を飲んだ瞬間、

『バチッ』と火花が散った。


「…!?」

総一郎の目が見開いた。結月が

「何かわかったの?この一瞬で」

「…いや…なにも読めない」

「…はい?」

間抜けな声が出てしまった結月。あははー、と冷や汗をかきながら総一郎が

「いや、なんか読めないんだよね。弾かれちゃった。自分の妖力に」

ぽかん…と呆気にとられる結月。

「いや、なんで…?」

「俺が聞きたい」

間髪入れずに返す総一郎。

「仕方ない…結月がやるしかねぇな」

「いや、やるもなにも、私今まで妖力のこと知らなかったのよ?いや一応習ったけど、物語の中の話かと…」

「まあお前妖力強いから握ったりうおーって力入れたりするだけでいけるだろ」

なんだその無茶苦茶理論、と思うだろう。しかし結月はだいぶ頭が疲れていたのか

「分かった。やってみる」

とやり始めてしまった。

ぎゅ、と強く石を握る。手に光が集まる。

すっと瞳を閉じた。そして瞳を開くと…

「…」

「…どうだ?」

「…いや、なにも分かんなかった」

ズコー!と音がなりそうなぐらいコケた総一郎。痛、と呟きながら立ち上がって

「まあ今まで実質妖力知らなかった子だもんなァ…本来妖力を扱うってのは付け焼き刃ではいかねぇもんなぁ…忘れてたわ」

「忘れないでよ。」

しょうがない、と溜め息を吐くと

「いいか、イメージするんだ。妖力ってのは血流のように身体中張り巡らされてる。その力を感じで、一気に指先から放出するんだ!」

かなりやけくそな感じで総一郎が説明するも、それで何か掴んだのか結月は

「指先から、放出…」

と小さく呟く。

再び、瞳を閉じた。


そして、目をゆっくりと開いた。

その瞬間の眼は、紅く染まっていたように見えた。

総一郎が驚き、確認しようとした瞬間、


辺りは光に包まれて、それは叶わなかった。


「…っ、」

結月が目を開くと、そこには優しい顔をした女性と、その女性を取り囲む者達。そして腕に抱かれている幼子。

産まれたばかりのようで、毛はほとんどなく、ふにふにととても柔らかそうで、酷く脆そうに見えた。

(どういうこと?あの後どうなったのよ…それにここはどこ?あの人たちに私は見えていない…?)

そう考え込んでいるうちに段々と騒がしくなっていった。

「この子の名は?」

「かわいいわねぇ」

「妖力がとても少ないように感じるな…」

「ほんとにそうね、ほとんど分からないわ」

騒ぎ出した周りの者たちを咎める訳でもなく、母と思われる人がくすっと笑って

「この子の名前は、紡。

優しく、誰かを支えて導き未来を紡ぐことの出来るような子になりますようにって。」

まあ〜!と周りが感心している中、

(…!?紡さんなの?あれが…?つまりこれは過去の記憶を読んでいることで間違いなさそうね…)


そして次の瞬間、突風が吹いた。

思わず目を瞑ると、次に見えたのはまだ三、四歳ほどに見える幼女が、それより幼い、寝ている赤子の頬を優しく突っついているところだった。

「かわいい、かわいい…このこがわたしのおとうと…そういちろう…」

(え!?今度は総一郎?!)

柔らかな頬を突っついているうちに眠くなってしまったのか、そのままぱたりと眠ってしまった。

「…とりあえず、動いてみましょうか…」

少し離れた部屋から、大人達の声が聞こえる。そちらの方に念の為気配を消しながら近づいた。

「弟の総一郎の方は、妖力がとんでもないぐらいにあるぞ…?」

「これは今後起こる不穏なことを示唆しているのかしら…?」

「偶然じゃないか?」

「まあ、厄魔も年々弱体化している。総一郎が強くなれば問題ない話だ。」

その言葉でまとまったのか、様子を見ようと立つ者、まだ座っている者、どこか別の場所へ行く者とばらけていった。

(総一郎も妖力が強い…まあ、それはそうよね。私をタイムスリップさせるだけの力があるんだもの。仮説だけど)


再び、景色は変わる。

「びぇぇぇぇえ!姉上ぇぇぇえ!ひどいですよぉ!!痛いよぉぉお!!」

声を上げて泣いているのは、幼き頃の総一郎。六、七歳ぐらいだろうか…

それに対してぴしっと背筋正しく立ち、竹刀を握っているのは、逞しくなった紡だ。

「こら!男の子なんだから直ぐ泣かないの!」

でもぉぉお!と泣き続ける総一郎に手を焼いている紡。結月の知る二人とは全く違うが、なんとなく今の面影を感じる。いや、本人達だ。

少しして泣き止んだ総一郎。今度は悔しさからか再び竹刀を握って、

「次は…!次こそは…!!」

「ふふ、そうこなくっちゃ」

そう言って不敵に笑った紡。二人の喧嘩に近い勝負は日が落ちそうなぐらいまで続いた。

(…凄い、流石二人ね。あの歳でこれだけの力…というか、今回は長いわね。)

そろそろ場面が切り替わっても良いはずだ、と早速状況に適応しだした結月。


そう思った瞬間、景色は変わる。

今度は稽古終わりか、もうかなり日が落ち、空は燃えているような朱に染まっていた。

二人はまた成長し、紡は十九、総一郎が十五だった。

この頃になると、男の力は一気に強くなる。段々と紡も総一郎に負けるようになっていた。

「強くなってきたわね。総一郎」

「まあ、まだ姉上には敵わないですけどね…」

そう総一郎が苦笑した。紡が目を伏せると

「そんなこと、ないわよ…私なんて直ぐに追い抜かれちゃうわ」

まあ簡単には負けないけど!そう笑った彼女は、どこか無理をしているように見えた。

次の瞬間、影が、いや、闇が紡を包んだ。

「…!?」

総一郎が驚いて固まる。

「は、ハハ…この妖力、凄いワ…いっぱい、いっぱい……!!」

(厄魔!?)

結月も驚くが直ぐに戦闘態勢になる。

(あ…でもこれ記憶の中か…じゃあ意味ないわね…)

総一郎が動いた。

「姉上を離せぇえ!!」

今まであくまでも知識としてしか知らなかった妖力を使って、厄魔を祓う。

取り憑こうしているときだったおかげか、隙が多くなんとか倒せた総一郎。

初めて妖力を使ったせいで覚醒したのか、姉の妖力が全て分かった。

(…っ!?なんだこの妖力は…!まさか、厄魔の元祖となった妖力、負の妖力…?!しかも、ここまで膨大だと…!?)

本来、妖力というものは十五が最高で、それ以降は気づかないぐらい少しずつ、しかし確実に減っていくものだ。

だが彼女は…

(減っていくどころか、増えている…?!分かった、姉上が妖力のほとんどない人間だと思われていた理由が!強すぎたんだ、負の妖力が。それで皆が読み取れないほど!あと、姉上の心が強かったから!)

習った妖力のことから推測した。

総一郎は今十五。最も妖力が高まるとき。

今しかない、と昔の本で読んだ、ほぼ見様見真似の封印。

今しないと、後でとんでもないことになると彼は即座に理解したのだ。

きちんとできるか分からない…しかしやらないと、未来はないかも知れない。

そう考えると重圧がとてつもないものになったが、総一郎は莫大な正の妖力を紡に向けた。

…封印は、成功した。

厄魔に捕らわれ気絶した紡と、妖力を限界まで使い切り疲れ果てて倒れた総一郎。

流石にこの騒ぎに気づいた者たちが集まって惨状に悲鳴を上げた。


(…そう、なのね…紡さんは、とてつもない負の妖力の持ち主…でも、性格はとても優しくて、強く、しなやかだった。そして総一郎が己の全力をかけて封印した。だから今の今まで惨劇は起こらなかった…)

しかし、それだとおかしい所がある。

五年前から急増した厄魔の被害、今後起こるであろう悲劇。一体それらは何が原因なのだ…?


そう考えていると、また景色は変わる。

紡は二十一になり、とうとうお見合い相手と結婚することになった。

結月はかつて学んだことを思い出していた。

本来、神華の一族と一部の者を除いた者以外が神華を知り、神華と関わりを持つと厄で死んでしまう。

しかし結婚の時にする儀式を行うことで正式に嫁入りした女は男の一族に、男は嫁を神華の一族に入れることができる。

家を出た者も耐性は残り、その夫にも耐性ができる。

そしてその子達にも耐性は受け継がれる。

血が薄れるごとに弱くなっていくが。

(そんなことも、あの人から学んだな…)

結月は師の背中を思い出していた。

わっと周りが騒がしくなって慌てて顔を上げた。

皆が幸せそうに笑っていた。

…総一郎は泣きそうになっていたが。

順調に式は進んでいき、無事に終了した。

(…あ、)

現代でも昔でも、結婚式を見るのは初めてで、思わず見入ってしまった結月だった。


景色は歪む。

子を授かった、微笑んで報告した紡。

皆がお祝いムードだ。

妊婦がいるのにあまりにも騒ぐものだから、紡が思わず圧をかけた。

全員、固まった。

そして冷や汗をかいた。


また、景色は歪んでいく。

(今度は早いわね、)

どこか、不穏な空気が漂っていた。

布団に横たわる紡に傍で不安そうな表情を浮かべた夫。そして何かを耐えるように眉間に皺を寄せる医者。

「…残念ですが…」

稽留流産だった。

結月の角度からは夫の表情が見えなかったが、紡の顔は、よく見えた。

…絶望

まさにそれを体現した顔だった。

結月は、記憶の中だと言うのに酷く気分が悪く、倒れそうだった。

自分が生きられるのは、とても尊いことなのだと思った。

「っ…なんとなく、そんな気はしてたけど、まさか直接見る羽目になるとはね…」

あの年齢で結婚している、さらに江戸時代なら、子供がいる方が自然だ。

しかし紡に子供らしき子は見られなかった。

(…ちゃんと、見届ける…それが今の私の役目…)


景色は変わる、歪んでく。

「…っ!?」

目の前の景色に、結月は目を疑った。

「嘘…!これは…っ!」

ぼろぼろの、痣や切り傷、火傷の痕…酷い状態だった。

暴力を振るっていたのは、あんなにも優しそうな夫だ…

(酷い…!つまり、今の紡さんは、ずっと…!!)

「跡継ぎも産めねぇ女は要らねぇんだよ!」

「やっ…!今度はちゃんと産みます!だからやめてっ…!」

「黙れ!一度流産した奴がもう一度元気な子を産むだぁ?無理に決まってんだろ!だいたい、お前の変な家系のせいでお前に縛られてんだよ!俺は!」

「っ、やぁ…!!」

結月は、視界が真っ赤に染まった気がした。

彼に殴りかかろうとするも、すり抜けた。

「あ…これは記憶…!」

こんなものを目の前で見せられているにも関わらず、何も出来ないのが辛かった。


そのまま、暴力は夜まで続いた。

夫はどこかへ出かけて行った。

「っ…」

紡はボロボロの体を引きずるように動かして、なんとか寝床に入る。

そのまま、気絶するように眠ってしまった。


また、悲劇は起こる。

「けひっ、この女…凄い、凄いなァ…欲しい、欲しいよォ…!」

(っ!厄魔!!)

厄魔が、現れてしまった。

(そうだ、紡さんは莫大な負の妖力の持ち主!今までは心の強さと総一郎の封印で抑えられてたけど、あいつのせいで心にヒビが入った。それで妖力が…!)

あいつマジ許さん、と結月が思っていると、事態はどんどん悪化していく。

「うまそうだなァ…いいなァ…いただきまァす…!」

(やばいっ!)

厄魔が紡に取り憑こうとした。

しかし、出来なかった。

「んんッ!?此奴…強すぎる…今のままではこっちが持たねェなァ…しょうがねェなァ…」

(…あき、らめた…?)

「こうすればいいんだァ…!」

すると、紡の周りから次々と厄魔が生まれていく。しかも、全て凶暴な厄魔だ。

「あ…っ!?」

繋がった。今までのこと全てが。

(五年前から急増した厄魔の被害、それは厄魔が紡さんの妖力を利用して作り上げたもの…!あそこまで莫大な負の妖力なら、凶暴な厄魔を大量に生むのも容易いこと…時期も合う。一体、これからどうなってしまうの…?!)

まだまだ生まれていく厄魔。

「これぐらいでいいかなァ…」

すると、厄魔が紡に取り憑く。

「え!?」

紡は立ち上がった。しかし、その目は正気ではない。

たちまち体を回復させる。

すると辺りに厄魔をこれでもかと出していき、妖力に余裕が出来たのかどんどん気配が妖しく、強くなっていく。

(これ以上はまずいっ!)

だが記憶の中。どうすることも出来なかった。

厄魔はかなり長い間紡の体を操っていたものの、

「流石に、限界だねェ…」

そろそろ日が昇るというところで元いた部屋に戻り、倒れた。

結月が慌てて近寄ると、その顔はいつもの紡で、先程までの圧もなかった。


繰り返す、悲劇は何度でも。

その後、紡は眠ると厄魔に乗っ取られるようになった。しかし必ず元の場所に戻り、疲れも全て消えるため、紡は気づかなかった。

どんどん厄魔は増えていく。

「紡、さん…!」

夜の間に出てくる厄魔は日に日に強くなっている。じわりじわりと紡を蝕んでいるのだろう。


そして、景色は変わってしまった。

「…これ、は…」

目の前には、地獄が広がっていた。

紡たちの町は、炎に呑まれ跡形もなく崩れていた。

倒れる人々。

悲鳴が絶えず響いた。

そして、中心にいたのは

「っ、あ…!そう、いちろう…!」

完全に厄魔に呑まれた紡と、ぼろぼろになり血を流している総一郎だった。

周りで戦っていたのであろう者たちは、人の形をしていなかった。

「くっ…そ…あね、うえ…!」

『もう、戻らないよォ…?君たちの大好きなこの女は…』

厄魔がニタリと笑う。

記憶の中の話なのに、結月はその圧で崩れ落ちそうだった。

総一郎は、既に致命傷を食らっていた。

厄魔ももう動けまいと読んだのか、別の場所へ移っていった。

「総一郎様!!」

駆け寄ってきた男は、神華の一族の者か。

「に、げろ…」

「ですがっ!!」

総一郎はいきなり袂を探ると、ひとつの石を取り出した。その石を懐かしそうに眺め

「昔、姉上と大喧嘩して、御神体の岩、ちょっとだけ割っちゃったんだ」

「えぇーっ!?」

目を見開いて「罰当たりな!」と場に合わず慌てる。

「でも、良かった。これなら…」

その石を強く握る。次第に石に光が宿る。

「お前は、必ず生き延びろ。そして、繋げ。」

刀を支えになんとか立ち上がる総一郎。

「なにを仰いますか!?総一郎様!!」

光の宿った石をその男にに渡すと、

「それは、今後現れる”最も強い一族の者”を呼び寄せる石だ。」

「はい?!」

あまりにも突飛な話に、男は再び驚いてしまう。

「そいつを呼び寄せて、姉上に憑いた厄魔を祓う。俺ももう直に駄目になるだろうしな…」

男は何か言いたげだったが、

「…承知、しました…!」

そうして駆けていった。

ひと粒、涙を流して。


「さて、最期にもう一仕事しますか…働き過ぎじゃね?最近。」

くすっと総一郎は走り出した。


その後、甚大な被害を残して、厄魔は一時的に封印された。


「これが…全て…私が呼ばれた理由も、やるべき事も…」

結月は、自然と瞳を閉じた。


「…っ、痛…」

目を開くと、そこは蔵で、結月と総一郎は二人してあまり綺麗ではない床に転がっていた。

目を覚まして動いた拍子に頭をぶつけてしまったようで痛いところをさする。

しばらくぼんやりしてしまうも、はっとして

「総一郎、起きて…!」

んん、と声を出すとガバッと勢いよく起き上がる総一郎。

その様子から、彼も見ていたのだろう。

全てを。

「分かった…と言うより、思い出した…だな。」

お互い、話さずとも分かった。

周りをテキパキと簡単に片付けると、全力で走った。


紡の元へ。



to be continued…

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結い詠 ただのN @N_711

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