邂逅

 …み~んみ~ん


 蝉の声が耳をつんざく夏の朝の教室。一足遅かったのか人が集まりきって各々の雑談をしている。


「今日の授業はゆりね先生じゃないらしいよ…。」「あのホラー番組超怖かったよね!」「昨日のピザ○ジ聴いた??」


 …。その中に…金村かなむらもいる…。


「どうしたんじゃ?入らんのか?」


 多邇具久がそう促すが足が竦む…。


 …。そういえば金村もりょうすけって名前だった…。


「多邇具久ってあいつと何か関係あるの?」


「我はあんな奴知らんぞ?」


 関係はないのか…。生まれ変わりかなんかだと思ったのに。


「じゃが、何処かの神の子孫かなんかじゃろうな、おぬしをイジメてきたのはあやつじゃろう?」


 そこでふと疑問が。


「そういえばなんでもっと早く助けに来なかったの?」


 もっと早くに来てほしかった。


「力を蓄えていたといっておろう??まぁ、遅くなったのは謝るぞ……。」


 悪気はないみたいだし許そう…。


「というより早う教室?に入らんか、呪いの力は無くなっとる。イジメは起きんし我がついとる。」


 頼りになるのかならないのか…。すると。




「ねぇねぇ!!ずっとそこに突っ立って独り言して、どうしたの??何かあったの?私が話聞こうか?」


 急に後ろから話しかけられた、なんだか聞きなれた声がする…。そんなバカな……。


「お、おい、おぬし!!もしかして過去でなんかやってないよな!?干渉してはいないよな!?」


 多邇具久の声を無視して後ろを振り返る…。


 そこには、この世にいるはずのない舞が。『桜ノ宮さくらのみや まい』の姿があった。


「ま、舞ちゃんだよね…?ほんとに舞ちゃんだよね?!よかった…。また逢えた…。」


 涙ぐみながらもそう言うが、舞は不思議そうな顔をする。


「ごめん、そんなに仲良かったっけ?私たち…。」


 私の記憶は無いようだ…。忘れ去られている…。絶望しそうだった。でも。生きているならまた…また仲良くなれる…よね!!絶対…!!なんだかそう思えた。





「あのね!私、私の名前は神崎かんざき 眞之まの!!これからよろしくね!!」






               END

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魔物ちゃん 魔物。 @mamono_t

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