吉日
……チュン…チュンチュン…。
鳥の鳴き声…。
「朝…か…。」
私はいつの間にかベットに移動していた。
「今日もひどい顔…。」
とボソッと呟き、いつも寝ぐせのひどい髪の毛に目をやる。
「え?」
目を疑った。前髪が緑色になっている。いつ染めたっけ!?寝ぼけてやったの!?訳の分からないまま思考を巡らせた。
「おう!おぬし!起きたか!!」
「なんで声が聞こえるの!?何処に居るの!?この髪はなに!?」
疑問点しかない。
「いや~。蓄えた神術が余った上に呪いが消えて自由になったからおぬしの髪を御神体にしてもっと広い世界をみたいと思ってじゃな。おぬしといると楽しそうじゃし。」
「勝手なことしないでよ!!髪は乙女の命なんだから!!」
多邇具久ってほんとに神様なのだろうか。疑心暗鬼になってきた。そりゃほかの神に呪われるのも理解できる。
「まぁ、そう言うな!案外似合っとるぞ!そんなことより学校とやらに遅れてしまうんじゃないか?」
結構イラっと来たがまぁ、実際色合いは悪くない。唯一の懸念点は学校…だが校則は緩いので大丈夫だろう。多分…。
時間も近づいていたので急いで支度をする。
「あ、そうだ!翔子さん!あの、昨日私が着てた上着…。」
「これでしょ?大切そうにしてたから昨日洗ってもう乾かしておいたわよ。」
流石、翔子さんは気が利く、何処かの神様とは違って。
「あ、ありがとう!!翔子さん大好き!!じゃ、行ってくるね!」
「朝ご飯は?」
「あ、えと、」
何か無いか辺りを見渡す。
「この食パン貰っていくね!」
「そんなのでいいの?気を付けてね!」
「うん!!!!おばあちゃんも!行ってきます!!」
おばあちゃんは手を振ってくれた。いつものおばあちゃんだ。
…なんか清々しい日だ。いいことがあればいいが。
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