祖母

 着いたのは病院。最後にはここで入院していたはずだ。急いで受付まで足を運ぶ。


紀代きよの孫です!おばあちゃんはどこに??」


 少し焦りながら受付の人に単刀直入に問いかける。


眞之まのちゃんじゃない、あれ?紀代さんは夕方に定期検診を終えて帰ったと思うんだけど…家に帰ってない?」


 …?何か違う。少し時が戻った??でも夜だし…。とにもかくにも、聞いたところによるとおばあちゃんは家に帰っているのかも。


「ありがとう!!」と言い捨てて家までまた走り出す。


 走っている間色んな思いが込み上げてきた。やっとおばあちゃんに会える!!


 家に着き、すぐさま玄関を開けると翔子しょうこさんが通りかかっていた。色々な感情が込み上げてきて無言で抱き着いた。嬉しかった。


「眞之ちゃん、急にどうしたの?」と不思議そうな顔をしているが私はそれを無視して


「おばあちゃんは!?」


 と問いかけた。


「縁側でくつろいでるけど…。」


 それを聞いて直ぐに駆けた。


「おばあちゃん!!」


 おばあちゃんは縁側でくつろいでいた。私の声を聞いてこちらを振り返り…。


「お帰り。」


 おばあちゃんの目と私の目がしっかりと合ったのだ。


「え、もしかして、おばあちゃん、私が見えるの!?」


「うん。見えとるよ。」


「おばあちゃ~~~ん!!よかったぁぁぁ!!」


 私は泣きながら抱き着いた。


「しょうがないねぇ。」


「眞之ちゃん、私にも抱きついて、今日は何かあったんですかね?心当たりあります?紀代さん」


「頑張ったんよ…この子は…。」


 疲労感からか私はそのまま、おばあちゃんの腕の中で眠っていた。

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