あとがき
この作品を最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
この物語はアンデルセンの『パンを踏んだ少女』からインスピレーションを得て創作しました。
原作の物語はパンを踏みつけたお金持ちの少女が、食べ物を粗末にしたという理由で獄に落ちてしまい、自分のしたことを悔い改めて地獄から脱出するという物語です。
私にとって『パンを踏んだ少女』の物語は、『人魚姫』や『マッチ売りの少女』と並ぶくらいアンデルセンの作品の中ではお気に入りの作品。
でもちょっと、大好きな作品ではあるのですが、『パンを踏んだ少女』には納得のいかない部分があるんですよね。
それは”パンを踏んだくらいで地獄に落ちるか?”という疑問です。
地獄に落ちるにはそれ相応の理由が必要なんじゃないの?
たとえば人を殺めるとか。
地獄に落ちるならそれ相応の罪を、でもただの悪人では読者の好感を得られないので、思わず感情移入してしまうような主人公の悲しい過去を用意しよう。
そうやって妄想を膨らませて書き進めたのがこの物語。
アンデルセンの『パンを踏んだ少女』を鋳型に、”壮絶な過去を持つ少年が鳥になって少女のもとに飛んでいく物語って面白そうじゃね?”と好奇心に突き動かされて創作したこの作品ですが、自分が思った以上にダークでシリアスな物語になってしまいました。
この物語を楽しく読んでくれたら、作者として本望です。
僕が小鳥になったわけ ことはたびひと @Kotoha-Tabihito
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