第11話 サンタクロースは精霊なのかもしれない?
より寒々とし出した12月の日々。
世間的には1年の終わりが近づいていることもあってか
仕事納めに入る企業などもせわしない忙しさに追われている。
しかし、同時に街並みは色鮮やかなある意味での“お祭り感”にも
彩られているのも確かである。
そう、【クリスマス】だ。
元々は聖誕祭を祝う行事でそれが転じて家族や大切な人らと過ごす
12月の冬の中での一大行事となっている。
まさに世間はそのクリスマス一色といった感じでテレビやネットなども
クリスマスの話題で持ちっきりである。
セカイの住むマンションの部屋は流石にクリスマスに合わせての飾り付けは
してはいないがクリスマスツリーなどを飾って雰囲気はそれなりに用意していた。
マオウ「世間はクリスマスムードですねぇ~」
テレビから流れるクリスマスの話題を聞きながらマオウはお昼の用意をしていた。
そんな中、マオウは転生前の異世界でのことを思い起こす。
魔王として過ごしていた時は流石にクリスマスの様な催しなどはしておらず、
近隣の村や町の住人たちもそういったことはした様子はなかった。
しかし、それでも似た様なことを華やかにではないが冬の時期に行われていたことを小耳に挟んだことはあった。
マオウ(やっぱり世界が違うと色々と異なるのかしらね――――)
と思い、料理の手を一端止めてクリスマスのことを調べ始める。
実際、クリスマスのことに関しては一般的なことしか知らず、この語源や由来などを知る機会はほぼなかった。
だから今がそのチャンスだと思い、調理の合間ではあるが調べようとしたのだ。
マオウ「えっと――――クリスマスにサンタクロースは・・・・・・っと、ふむふむ」
タブレット端末から検索してクリスマスとサンタクロースのことに付いて調べていく。
クリスマスの由来は上述した通りの聖誕祭から肖ってのものと知っていたが
サンタクロースに付いては色々と驚きを感じていた。
マオウ「サンタクロースは本当は精霊だったと?」
サンタクロースに扮していた人々がいることは知っていたがサンタクロースそのものが実際には人前に姿を現さない存在だということを知ったのは今が初めてだった。
人によっては実在しない元々は聖職者関連の話が大元になっているなど様々な逸話などが調べて出てきたがいずれも必ずしも確定しているとは言い難いものばかりで
今でもサンタクロースの実在を信じている人らも少なからずいるとかなど調べると出てきた。
マオウ「精霊信仰がある種の形を変えた、として今も根付いていることなのかもですね」
魔王というある種似た様な立場を担っていたことがあるマオウとしてはどこか親近感を抱く要素があった模様。
セカイ『マオウさーん、ちょっといいー?』
マオウ「ハーイ、少しお待ちくださーい!」
マオウ(立場は違えどもみんなの印象に残る存在というのはとても良いことで悪い事ばかりじゃないですね~)
今の主人であるセカイからの呼びかけに応じ、コンロの火を落としてからその場を離れるマオウ。
テーブルに置いていたタブレット端末の画面には白いお髭を生やした一般的なイメージのサンタクロースが映し出されていた。
メリークリスマス――――それは感謝も含めた大事な大事な言葉なのかもしれない。
メイドさんは元魔王!? 貴宮アージェ @takamiya_aaje
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