第8話
この後私が何をしたか、もうわかりますよね?
その通り。暁美ちゃんを刺したんです。
本当はすぐにでも妖精を凍らせてやりたかったんですが、あの小さな凶器で人間を上手く仕留められる自信が無かったので、わざわざ金銀財宝の日まで待ちました。
日本刀なら、まさか仕損じることはありませんから。
いつ来るとも知れぬ日を待ち望む、もどかしい日々が続きました。そうこうしている間にも暁美ちゃんは刻一刻と変化を続けています。いざ金銀財宝の日が来てみたら、永遠に留めおきたい艶姿からは遠くかけ離れていた、なんてことになったら目も当てられません。
少なくとも、暁美ちゃんが私を好きである内には、現実の世界から切り離したいと思っていました。
願いが叶った時、私は高校三年生になっていました。大学受験を直前に控えた冬です。学校は自由登校期間に入っていました。今回の受験も、どうせ妖精に邪魔されて失敗するのが目に見えていたので、身が入るわけもありません。勉強など一切せず、予備校の自習室に通うという名目で毎日出歩いていました。……何をしていたかは後に語ります。
家を出るなり財布を見つけた私は、とりあえず町中歩き回って、拾えるだけの現金を拾いました。換金の必要な宝物が多い屋内に対し、屋外では財布が落ちています。換金の手続きがもう面倒だったので、現金だけ拾って早々に口座に預けてしまおうと考えたのです。それだけでもかなりの金額になりますし、そもそもこの時必要だったのは、お金ではなく武器なのです。二〇〇万円をATMで預け入れ、電車で都内に向かいました。
私はこの時、山手線のI駅近郊で、ウィークリーマンションを年契約で借りていました。勿論、親には内緒です。賃貸料の出所が金銀財宝を質に入れて手にした資金である以上、真っ当な説明は不可能です。秘密基地のノリに近く、暁美ちゃんとのデートの際ラブホテル代わりに使ったりもしましたが、基本的に私のプライベート空間でした。ファイは自宅ではなくこちらに置いてありました。
マンションに着くなり、クローゼットからゴルフバッグを取り出します。何本かクラブの入ったそれを担いで再出発し、凶器を拾いに出かけます。ゴルフクラブの中に紛れ込ませれば、日本刀などの長い得物を拾った時にカモフラージュになるのです。それらしいカバーをかければ、疑うものなど誰もいません。
凶器の回収が済んだら、次は部屋の片付けです。このマンションにはわけあって様々な種類の刃物が置いてあるので、それらを全て見えないところに仕舞いました。基本的には生活感の無い部屋なので、窓辺で猫が日向ぼっこしている長閑さが、ある種異様です。ファイは私にしか見えないので、このミスマッチを味わえるのも私しかいませんが。
肝心の凶器は、ベッドの下に置いておきます。
携帯電話で、暁美ちゃんを呼び出しました。暁美ちゃんは今日も学校があるはずです。一旦家に帰ってから出直すとのことでした。午後六時半にI駅の西口改札集合。
待ち遠しい時間を上手く潰す術を知らなかったので、私は寝ることにしました。落ち着かなくてうろうろと歩き回れば、それだけ余計な妖精を踏み殺すことになるのです。不快感が増すだけ無駄でした。
暁美ちゃんをどういうタイミングで刺すか、具体的なことは何も考えていませんでした。恐怖や苦痛を感じさせたら、不死となった時その顔が張り付くかもしれないので、出来るだけ楽しい思いをさせてあげたいと考えていました。
時間になり、待ち合わせ場所には暁美ちゃんが先に来ていました。家族には、予備校に行くと断って出かけたのでしょう。味も素っ気もない地味な格好でした。
「どうしたの、いきなり呼び出して?」
「いや、何か、急に顔が見たくなったから」
歯の浮くようなことを言いつつ、手を繋いで歩きます。機嫌は上々のようでした。
「何食べる?」
「何でも良いよ」
「色々買い込んでうちで食べない?」
「あー……、何、急に呼び出したと思ったら、やっぱりそういうことなわけ?」
「……どういうことなわけ」
「だいぶ溜まってるってことでしょ」
「違う違う」
「えー、早く部屋に連れ込みたいって顔に書いてあるよ」
「そりゃ否定しないけど。そっちが嫌なら無理にとは言わないよ」
当然、嘘でした。今日を逃すわけにはいかないので、是が非でも我が秘密基地まで来てもらわなければなりません。
「別に嫌じゃないけどさ」
「だって、うちの方がリラックス出来るじゃん。コンビニで買えば酒も飲めるし」
「不良」
「今日は僕が奢るからさ」
「しょうがないなあ、もう」
暁美ちゃんは破顔し、私の手を引いてぐいぐいと先に進みました。何故か、最初に妖精を潰した日のことを思い出しました。何もかもがあまりにも遠く、取り返しのつかない記憶は切なくて残酷でした。共通しているのは私と彼女だけ。人々の足元では、ガムの捨て痕のようにあちらこちらで、血塗れの妖精が倒れています。ふと目をやった看板の上、前を歩く青年のリュックの中、電線から吊るされた細い紐の先、あらゆる死因の妖精達が平然と都会の風景に溶け込んでいます。一体誰が、こんな世界を想像したでしょうか。ランドセルを背負い、黄色い傘を持って鉄柵を奏でていた少年が、ある一歩を境に泥沼に沈みこむと、誰が予想出来たでしょうか。
それでも、暁美ちゃんの笑顔だけは、変わらず私を癒してくれました。それだけが、私にとっての救いでした。
コンビニで、軽食や菓子、酒、ソフトドリンク、つまみを大量に買い込みます。彼女にとっては最後の晩餐となりますが、露ほども悟られるわけにはいきません。
一面的には、愛する人を自らの手にかけることになるので、もっと抵抗を感じるかと思いましたが、意外と落ち着いていられました。計画を中止するつもりは、全くありませんでした。暁美ちゃんが永遠に自分だけのものになる幸福に比べれば、私が失うのは些細なものに過ぎません。暁美ちゃんの透明な声も、よく動く表情も、隣り合って歩く時の歩幅も、照れた時に耳の裏を掻く可愛い癖も、甘える時背中に持たれかかってくる心地良い重さも、恐怖映画に怯え繋いだ手から伝わって来る細かな震えも、前屈で胸までべったり床につけられる柔軟性も、蛇のように艶かしい舌使いも、永遠性の前では本質的に無価値です。それらは全てたった一つの死によって駆逐される脆弱な特徴に過ぎません。不死はその絶対的立場で、その死を駆逐するのです。私は喪失の恐怖から完全に解放されるのです。
マンションに戻ると、早速飲み会が始まりました。いくら宿泊環境が整っているからと言っても、わけもなく外泊するわけにはいきませんし、遅くなり過ぎるのも考えものです。のんびりことを構えているわけにもいきません。早い段階から仕掛けることにしました。
ビールを二缶開けて、軽く酔いが回ったのを見計らい、そっと身を寄せます。
「何よ、やっぱりそういうことなんじゃん」
「いや、まあ、うん」
「しょうがないなあ、もう……」
ここまで持ち込めれば、後はどうにでもなると思いました。
抱かずに隙を作って刺すか、抱いた後で刺すか、それくらいの違いでしかありません。正直に言えば、未練が残ると困るので、あえて甘い雰囲気の中で全てを断ち切ってしまおうと考えていたのですが、状況に飲まれてしまい、気付いた時にはなし崩し的にベッドに入っていました。彼女の淫らな姿が見納めになるかと思うと、やはり少しだけ残念でした。死から解放された人形のような彼女と交わることは考えていませんでした。彼女を慰み物にしたくて不死にするわけではないので、パートナーに対する最低限の気遣いは当然です。
愛するものを独占するために死を奪い、生を奪う。これは、平易な概念では、芸術意識というのに一番近いでしょう。独善的で、そのくせ圧倒的なエネルギーに満ちている……。ただし私の場合、芸術家と違ってエネルギーの受け取り手がいません。私の体が朽ちるまで、その中でぐるぐると回り続けるしかないでしょう。私の本質は、愛する人間の不死性を媒体にした永久機関みたいなものです。
私は、暁美ちゃんの中で果てました。妊娠したらどうするのよ馬鹿、と何故か危機感無く惚気ている彼女を見た時、覚悟を決めました。愛おしさが湧き上がり、だからこそ凶器を手に出来る自分が、なんだか不思議でした。
「そうだ、忘れてた。プレゼントがあるんだ」
「嘘! 何で?」
「いや、気紛れだけど。ちょっと目瞑って待ってて」
私は全裸で毛布から抜け出ました。
「超楽しみなんだけど」
言われた通りに瞼を閉じている彼女は、頬が緩みきり口元も綻んだ、見るからにご機嫌そうな顔付きで私を待っています。
出来れば、この表情を永遠に留めたい……。
ベッドの下から日本刀を取り出し、鞘から滑らせるようにして、静かに刃を抜きます。
剥き出しになった刃を電灯に翳し、ぴたりと動きを止めました。緊張から来る腕の震えがないことを確かめます。思った以上に冷静でした。
「ねえ、まだ?」
「もうちょい。あー、ちょっと仰向けになっといて」
「……何でよ」
「何でも」
ぶつぶつ言いながらも、体の向きを変えてくれました。どう考えても、真上から垂直に突き刺すのが一番楽なのです。
「……毛布剥いで良い?」
「えー、寒いよ。一体何する気なの」
「最高に楽しいこと」
「変なクスリとかじゃないでしょうね」
「違うって」
私が毛布を腰の辺りまで剥ぐと、暁美ちゃんは楽しそうな悲鳴を上げました。律儀に目は閉じてくれています。豊かな胸の膨らみが露わになりました。そこから類推して、心臓の正確な位置を把握します。一突きで即死させなければなりません。憎くて殺すわけではないのですから。躊躇いは、ありませんでした。
「ねえ、まだー?」
柄を逆手に握り、切っ先が胸の真上に来るよう構えます。
「もうすぐ」
肩を大きく上まで引き上げて、
「さっきから何してんの?」
一気に下に突き下ろしました。
「刀抜いてた」
思い切りの良さも手伝ってか、手応えは拍子抜けするほど軽いものでした。刃先は暁美ちゃんの背をやすやす貫通し、ベッドのスプリングを掠めたところでようやく止まりました。私は呼吸を忘れていました。
刀から離した手は、何故かぐっしょりと汗に濡れています。肉を一直線に貫いた温い感触が、開いた手の中にまだ残っています。呼吸も鼓動も荒れていないことが、ここまで来ると逆に不気味でした。自律神経がバランスを崩し、制御が上手くいっていないのかもしれません。暁美ちゃんは胸から刀を生やし、狭いシングルベッドに縫い止められています。まるで、虫ピンを刺された蝶の標本のようでした。二番目に殺した妖精の姿がそこに重なりました。悲劇的でもなく喜劇的でもない、淡々とした回想でした。
「どうして?」
思いの外はっきりとした暁美ちゃんの声が聞こえました。
ぞくりと背筋が粟立ち、心臓が早鐘のように打ち始めました。
暁美ちゃんの瞳が大きく見開かれ、不思議そうにこちらを見上げていました。若干首を持ち上げ、胸の辺りを確認する素振りすらしています。
どうして即死していないのでしょうか? 頭が真っ白になりました。
「……好きだから」
まるで私の方が瀕死であるかのように、掠れた声になりました。喉の粘つきがどうにも不快でした。
「好きだから殺すとか、ちょっと待ってって感じなんだけど。そんな人だったっけ」
暁美ちゃんはベッドに縫いとめられたまま、苦笑しました。何を言っても言い訳になりそうなので、私は黙っていました。声を出せないほど震えていました。
「まだ、やりたいこといっぱいあったのに……。一度でいいからヨーロッパに旅行してみたかったし、子供もいっぱい欲しかった」
過去形で話しているのが残酷でした。暁美ちゃんは涙目になってこちらを見上げました。
「受験、頑張ってね」
私は、とどめを刺すために刀を動かすことを考えていました。これ以上は耐えられそうにありませんでした。私がのろのろと柄に手をかけた時、暁美ちゃんの瞼がゆっくり下がりました。唇からは、溜息のような疲れた息が吐き出されます。
「ずっと言おうと思ってたけど」
私の手に、ゆるゆると持ち上がった暁美ちゃんの細い右手が添えられました。命の輝きは殆ど失われ、やけにひんやりと感じられました。
暁美ちゃんは一〇秒以上も黙ってそうしていました。私も動けませんでした。
部屋に充満する絶望感の中、いっそ清々しいくらいにはっきりと、最期の言葉が響きました。何故か、妖精の呪言が重なって聞こえた気がしました。
「いつも背負ってるその大きな人形、可愛いね」
暁美ちゃんから生が奪われました。私が日本刀を大きく動かしたからです。
服を着替えて、すぐにマンションを飛び出しました。電車に乗って自宅に帰りました。
独りで帰りました。
妖精は相変わらずあちこちで死んでいます。私も踏み潰して殺します。
死は、私の手の届く範囲に転がっています。そして不死にすら手をかけています。
それなのに、どうしようもない無力感に苛まれました。
私は風呂場で泣きました。寒々しい背中が不安でやけに恐ろしかったのを覚えています。
鏡には、何も映りませんでした。大きな人形は映りませんでした。
喪失すら喪失した、空っぽの人間がぼんやりと佇んでいました。
次の日、暁美ちゃんはファイと同じ場所にいました。
以来、家族ですら暁美ちゃんの不在を気にしなくなりました。その家に暁美という娘がいることは誰しも認めているのに、姿を現さないことについて誰も不審に思わないのです。
これは、記憶が改竄されるよりもある面で残酷でした。記憶には残っているのに、意識に上らないのです。私以外の誰からも必要とされない位置に、暁美ちゃんはいるのです。
彼女はベッドの上で、彫像のように横たわっていました。肉体的には生きている時と何ら遜色はありませんが、確実に何かが足りませんでした。
不満はありません。完璧なものなどこの世には無いのです。ただそれだけの話です。
私は早速、暁美ちゃんを解剖しました。
妖精と人間の体のつくりが異なることは知っていました。暁美ちゃんを即死させられなかったことが気にかかっていました。心臓の位置の把握など、致命的な部分でどこか誤解があるに違いありませんでした。
しかし、鉈で肋骨をばらばらにして胸部を覗いても、違和感は見つかりませんでした。私が刀を通したはずの部分には、間違いなく心臓がありました。人間も妖精も共通でした。
暁美ちゃんは、幾つもの不条理を抱えたまま沈黙してしまったのです。
――どうして?
あの時の言葉が胸に甦りました。不思議そうな声が耳元で鳴り響きました。
――どうして?
もう、私には何もわかりません。
大学受験に適当に失敗した私は、気分を変えるためと称して家を出て、I駅のマンションで暮らし始めました。
日がな一日、暁美ちゃんを眺めて過ごしました。
それに飽きたら、猫を殺しに町へ出ました。
何を驚くことがあるでしょう。この習慣は、高校の時から続いているものです。ファイを刺してから暁美ちゃんを刺すまで、私が何もしてなかったとでも思ったのですか。
よく考えて下さい。私の選択肢は、もうそれしか残っていないのです。残された選択肢を選んで当然でしょう。
生物が怪異を殺す。これは、私が妖精を惨殺することで実行しました。
怪異で怪異を殺す。これは、財宝の刀で妖精を斬殺することで実行しました。結果、存在と無、生と死に関する考察の取っ掛かりが生まれました。
怪異で生物を殺す。これは、妖精を凶器に猫を刺殺することで実行しました。結果、存在と無、生と死の境界にあるファイが完成しました。
残りは、生物が生物を殺すしかないのです。
妖精という異形の力を借りなければ、生と死、存在と無の垣根を越えられないというのは思い込みに過ぎません。逆説的に考えて、最も大きな怪異は最も小さな枠組みの中から生まれるはずです。……ただ、勘違いして欲しくないのですが、私が猫を殺していたのは、死んだ猫が不死身になって復活するとか、ファイのようになるとか、そういう馬鹿げた妄想を信じていたからではありません。
全ては、私のためです。
私はあらゆるタイプの超越を目にし、あるいは実際に体験してきました。他の人間が検知出来ないものを一人で感覚し、全てを受け入れてきました。
最初に妖精を踏み殺したのは誰ですか?
誰も拾えない刀で妖精を斬り殺したのは?
ブチ猫を生死の狭間に閉じ込めたのは?
勿論みんな、私です。そんなことが出来るのは、私だけです。
妖精や金銀財宝が特別である以上に、私は特別な存在なのです。
その私が生物という狭苦しい枠組みに捉えられていること自体、何かの間違いだと思いませんか。自ら生物を殺すことによって、私はその枠組みを破壊出来ると確信しました。
その時自分がどうなるのか、気になるのは当然でしょう。
だから試していたのです。
狂っている、と思われますか?
他の生物を殺すのではなく、自分を殺せばよかったのだ、と思われますか?
当然、やってみましたよ。
猫を数十匹殺したあたりで、埒が明かないと気付いて、自分を殺してみました。
どうなったと思います?
未遂に終わったわけではありません。
それでもここにいるというのが、答えになっていると思いますが。
私はどの段階かで既に、少なくとも死を超越してしまっていたのですよ。
ここまで来てもまだ信じられないですか? では訊きますが、私は一体誰なんです? どうしてあなたにこんな話を聴かせているんでしたっけ? 説明出来ますか?
出来ないでしょう。私なんてどこにもいないんですよ。存在と無すら超越していますからね。どうせ消えるという意味では、あなたが作り上げた幻影みたいなものです。
何故そんなものを作る必要があるのかって? 馬鹿なことを言ってはいけません。足元を見て下さい。ほら、妖精が死んでいます。『内臓破裂ちゃん』があなたを恨めしそうな目で見ています。あなたはそれで狼狽し、無意識に現状の説明を求めたんです。だから私が語ってあげたんです。え、足元には何もいないって? 早速適応を始めてしまったようですね。見て見ぬ振りで許されるのは、今回までですよ。
ぐるりと周囲を見回してください。目につく範囲に、六体の妖精が死んでいるじゃないですか。気持ち悪いこと言うなって? 何を馬鹿なことを。死は、日常のどこにでも転がっていると言います。だったら当然、死体だって転がっている。そうは思いませんか?
どうしても信じないというなら、それも仕方ありません。今日のところは帰ります。
ああ、面倒なので、暁美ちゃんとファイはそこに置いたままにします。注意して下さい。間違って怪我でもさせたら、容赦しません。その背中の大きな人形と同じように、両目とも抉りますよ。……ん、人形なんか背負ってない? ご冗談を。今すぐ鏡を御覧なさい。
空集合はいつだって、あなたの傍にいるんですよ。まるで、私のように。
さて、それではそろそろお暇致します。どうもお騒がせしました。
今度はきちんと羽をつけた小さな姿でお目にかかりましょう。人間大の『墜落死体君』はあまりにも見苦しいのでね……。いいですか? 忠告はしましたよ。それを忘れて、次に現れた私を惨殺するようなことがあれば、容赦はいたしませんので、そのつもりで。
何にしろ足元には、くれぐれもご注意を――
妖精惨殺証言 今迫直弥 @hatohatoyama
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