第22話

私は幾ら持っていかれるかを考えていたが、彼女はもうこれ以上彼らは何もする手がないと強気だった。私がそのお金を所有している以上、彼らは合法的に手に入れるためには警察や裁判所等の公的手段を用いないといけなくなる、そのためには超えないといけないない障壁が高すぎて彼らはどうすることもできないだろうと彼女は言った。彼らにとって取り返せないなら、次の話し合い自体に意味がないと私が言った。彼女も同意した。次の話し合いを言ってきても無視することにしようと決めた。

 しかし彼からの問い合わせは日に何度もあった。朝出社するとき、帰りにマンションの前に彼が待っていた。無視するには現界があった。私は根負けして、彼と話し合うために喫茶店で席を設けた。彼女も同席してきた。私は彼女に連絡していなかったが、上手に同席してきた。彼と彼女が連絡を取り合ったのだろうと思った。私は冷静に判断するには疲れていたのかもしれないと思う。

「もう付きまとうのはやめてもらえませんか?」

私は彼にそう言った。彼は、

「依頼人のお金です」

 と主張した。私は堂々巡りになると思い、感情をむきだしにした。

「いい加減にしろ 何も私は悪いことをしていない。

 不満があるなら裁判所に訴えろ」

 と怒鳴った。彼女も驚いているだろう思い彼女を見ると、彼女は怒りの表情を私に向けていた。私はそれに驚いた。

 「悪いのはあなた」

 と言って、彼女は私に隠し持っていたナイフを向けた、私は驚き彼を見ると彼も私に敵意を向けていた。私は現状を把握して、

「わかった。話し合おう」

 と言った。こんな席を設けたこと後悔した。

「全額渡して」

彼女が言った。ナイフは私に向けられていた。私は声を出して周りの人間に助けを求めようか考えたが、ナイフで怪我をする可能性を考えて、抵抗しないことにした。

「あなたたちに渡せばいいのか」

 と尋ねた。彼女は頷いた。私はスマホから彼らが指定する口座に送金した。私はすぐ警察に被害届を出すと返ってくるだろうと考えて彼らの指示に従った。

「このままでは済まないぞ」

 と言うのが精一杯だった。彼女は笑っていた。口座に入ったお金を確認して彼らは笑っていた。

 私はこの件を警察に相談して彼らが逮捕されるまで一カ月以上かかった。容疑は恐喝だった。彼らは罰金を払って公的に罪を償った。しかし私のお金は返ってこなかった。別の口座に移動されてしまい、既に追えないと警察は私に言った。彼女は私からお金を奪ってから引越してしまい、彼女がいた部屋に別の住人が住み始めた。私はお金を守る方法を失敗したことに後悔して、その部屋を眺めていた。(了)


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横取り 二重一意 @ABCDBOOK

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