第3話 ヒロインの欠乏が作り出す魅力

例1)人の価値を才能でしか判断しない守銭奴属性の腹黒美少女。


皆さん、このヒロインには魅力があると思いますか?

これだけだと何か足りない。もう少し何かあればな……とは思いませんか?

さて、次の例をあげてみましょう。


例2)人の価値を才能でしか判断しない守銭奴属性の腹黒美少女。

彼女は過去、大切な人に裏切られ、そのせいで金に盲目になってしまった。

「この世にお金で買えないものなんてありません。だから先輩、どうかお気をつけてください。私に心を乗っ取られないように。私には、先輩の心ですら金で買って見せる自信があるんですから」

だから、彼女は決して人の好意を信じない。

そんなもの、いくらでも金で買えると信じている。


もう少し、ヒロインの過去が具体的になりましたね。

しかし、まだまだ少し足りません。

では、最後の例をあげてみます。


例3)人の価値を才能でしか判断しない守銭奴属性の腹黒美少女。

彼女は過去、大切な人に裏切られ、そのせいで金に盲目になってしまった。

「この世にお金で買えないものなんてありません。だから先輩、どうかお気をつけてください。私に心を乗っ取られないように。私には、先輩の心ですら金で買って見せる自信があるんですから」

だから、彼女は決して人の好意を信じない。

そんなもの、いくらでも金で買えると信じている。

しかし、彼女には誰も知らない秘密がある。

それは、彼女が教会の運営する孤児院に毎月後援をしているという事実。

「だって……大人と違って、子供は裏切らないじゃないですか」

実は、彼女は願っているのかもしれない。

誰かに教えて欲しいのかもしれない。

真の友情を。真の愛情を。

この世にはお金で買えないものだってたくさん存在しているという事実を。


どうですか?

守銭奴属性のヒロインが実は孤児院に毎月後援をしていた。

これはギャップ萌えという概念に結びつけることができるかも。

でも、ここで言いたいのはヒロインのギャップ萌え属性ではありません。

ここで言いたいのは、ヒロインの欠乏が作り出す魅力です。

例3のヒロインには明らかな欠乏が存在しています。

そして、その欠乏を満たしてくれる人に、彼女は恋に落ちるでしょう。

つまり、彼女に教えてやればいいんですよ。

真の友情とか、真の愛情とか……。

この世にはお金で買えないものもたくさん存在してますよ?って事実を。

どうですか?

この例3のヒロインは魅力あると思いますか?

僕は十分魅力的だと思います。

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ヒロインの魅力とはどこから来るのだろうか 清水文彩 @kumho2000

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