第2話 ヒロインの外見描写

皆さん。

ブサイクなヒロインはあり得ると思いますか?

僕は断じて言えます。

特別なケースでない限り、ブサイクなヒロインというのはあり得ないと!

ヒロインは全員が全員美少女で、綺麗な外見をしていると!

じゃ一体、その綺麗な外見をどう表現すればいいのか?

結論から言ってしまいましょう。

雰囲気です。

雰囲気が大事です。

二つ、例をあげてみます。


例文1)白崎雪絵は黒檀みたいな黒髪と、黒曜石のような瞳を持っていた。

彼女の異能は冷気を操る能力。

そのおかげか、白崎さんは無口で冷たい性格をしていた。

彼女と目が合った瞬間、俺は思った。

絶対、この人を怒らせれはいけない、と。


例文2)霜がかかる音を聞いたことはあるだろうか。

シベリアのヤクート地方では、その音を『星の囁き』というらしい。

(全く適切な表現だな……)

黒髪黒眼を持つ目の前の少女。

白崎雪絵。

彼女と目が合った瞬間、俺は感じることができた。

サラ、サラ。

彼女が表出する寒気に、息が凍り始める。

あっという間に氷点下未満に落ちてしまった部屋の温度。

今この瞬間、この場で。

星が小さく囁いていた。

絶対、目の前の少女を怒らせれはいけない、と。


さて、皆さんはどっちの表現を好みますか?

下の方が好きだと言ってください……下の方が好きだと言ってください!

念に念を入れた描写なんですから!

僕の言いたいことはこれです。

陳腐な描写よりは、雰囲気が大事だ。

黒檀みたいな黒髪と、黒曜石のような瞳とか。

下の方ではこう言った表現を使ってません。

黒髪黒眼を持つ少女だと、シンプルに描写しただけです。

でも、にもかかわらず、僕は下の表現の方がもっと魅力的だと感じます。

それは、外見を『説明』するんじゃなくて、雰囲気を『見せた』からです。

ヒロインの髪がワタアメのように柔らかいとか、瞳はどんな宝石に似ているとか。

こう言った描写は陳腐です。陳腐すぎるんです。

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