第37話 エピローグ

 四月、二年生に進級した奈緒のクラスには秀樹、晴人といったメンバーに加えて眠り姫の夏芽もいた。晴人と夏芽が同じクラスにまとめられた理由はなんとなく察した。養護教諭による乱入事件も影響しているのだろうが、詰まるところ、教師陣が問題児を一括りにしたのだろう。

 まだ見慣れない顔が並ぶ教室だが、一画だけはもう見慣れてしまった。まだ一限目だというのに、窓際の列の後方、晴人と夏芽は机に突っ伏し今日もさっそく夢の中だ。開け放たれた窓から優しい風が吹き、ぴくりともしない本人に代わって夏芽の髪を揺らしている。

 ふたりの気持ちもわからなくはないけどね、奈緒はあくびを噛み殺しながら晴人たちを通り越して窓の外に視線を伸ばした。

 春の日差しが暖かい、今日も良く晴れた一日になりそうだ。


 了


                                      


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机に突っ伏し今日も世界を晴れにする あおきたもつ @tamotsu_aoki

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