二晩ぶりの彼氏との再会
おつかれー
皆さん、マックは好きですか? 私は好きです。
ここ最近、マックというか、ファストフードは家に持ち帰りあるいはデリバリーして食べることが多かったみずきちです。
というのも、ファストフードとアルコールの相性ってあまりにも抜群じゃないですか。ビールとキスを交わしながら、あのジャンキーな味を大切にしたい乙女心。
しかし、この日は珍しくマックのイートインを利用していました。
マックのハッシュポテトが好きすぎる。フライドポテトよりも芋を食らっている感がしますね。小さい頃は、あまり芋が好きじゃなかったけれど、ハッシュポテトだけは愛しく感じてました。とはいえ、基本休みの日も夜勤入りの日も昼過ぎまで眠り姫になっているし、夜勤明けもマックを通る頃には10:30を過ぎてしまうからエンカウントできないことの方が多いです。
そんな状態だというのに、なぜこの日、イートインで朝マックを決めていたかというと、
もともとこの日はお休みなのに、休日出勤させられてたんですよ。それも無給の。体重測定やら血液検査やら、要するに健康診断っていうこと。望んでるわけじゃないのに強制的に酒との縁を断たれる。私にとってお酒はただの飲み物ではない。恋人、それも婚約関係にあるというのに。
実質パワーハラスメントだと訴えたいところでしたが、
「百パーセント敗訴するからやめな」
という同僚たちの説得により泣き寝入りすることになりました。ぴえん。
無論、健康診断が終わったのだから、速攻マックを買って家に帰るつもりでした。ちょうど通りにコンビニもあるわけだし、ビールも買える。家にはドンキで巡り合った2.7Lのウイスキーもあるから、炭酸注いでハイボールにしよう。
健康診断前日から断酒させられていたから、酒雄さんと会うのは丸1日ぶり。ちょっとどきどきしながら帰ろうとしたときでした。
「
上司の無慈悲すぎるセリフ。どうやら夜勤予定の職員、体調崩してしまったらしいです。こんなご時世だし、普段お世話になってるパイセンだし、ということで、泣く泣く夜勤入りが決まったのです。
なにもご褒美なしでは生きていけないということで、マック先生に縋りついてきました。
予定ではジュースだけじゃなくてビールとハイボールな酒雄さんも一緒にいてくれるはずだったのに。悲しくて悲しくてガクブルです。西野カナだって、まさかこんなに相手を想って遠く感じている相手がいるとは想定外だと思う。
夜勤の相方は同期だったため、特に気兼ねすることなく……とはいかず。もうお互いライフはマイナス突破してたので、勤務中はお前ら、感情はどこにやった!? というくらい不愛想に過ごしてました。ていうか私は掲示物作るために折り紙作成していたのですが、ずっと独り言言ってました。きっと、ものすごく危ない奴に見えたことでしょう。
ごめんね☆
さて、そんなわけで夜勤を終え、帰宅。小腹が空いたしなんかコーヒー飲みたいね、ってなったので、同期と一緒にスタバに行きました。
なんだか無性に食べたくなったので、モンブランを注文。栗の存在に秋を感じます。栗って下ごしらえが面倒だから自分ではめったやたらと入手しないから、その分一層美味しく感じます。
ちなみに、店員さんからは「モンブランもおいしいけどアップルパイもおいしいんで、次はぜひ!」と言っていただいたので、次はアップルパイ食べたいと思います。
スタバとかタリーズの店員さんってものすごい明るくて感じがいいですよね。学生時代、この二大カフェでバイトした人は就職先に困らないなんて噂聞いたことあるけど、あながち嘘ではないと思います。
主に職場の愚痴と上司の陰口をお茶菓子にしながら、無意識に口を開いていました。
「小腹が空いた」
「ああ、ラーメン食べたい」
「なんかこってりしたやつ。家系とか」
「いやもうチャーシュー乗ってればなんでもいい」
「ラーメンを、酒雄さんと一緒に食べたい」
「酒」
「酒」
「お酒」
同期の衝撃的な顔、忘れられません。小腹とはなんぞや、と、同期は思っていたことでしょう。
そんなわけで、フードコートに移動。
チャーシューいっぱい食べたいけど煮卵も愛してる私にはベストなラーメンを召喚! トッピング全部乗せを注文しました。煮卵もチャーシューも乗っているし、海苔なんか2枚も居座ってます。しかも、レジ横には無料トッピングの紅ショウガとニンニクまでいました。もうお迎えしないという選択肢はありませんね。
それと衝撃的な光景がもうひとつ。ラーメンと一緒にビール「アサヒスーパードライ」を注文しました。
アサヒスーパードライを頼んだのは、確かに私です。
メニュー表には、確かに缶ビールの写真で載ってました。
でもてっきりグラスなり紙コップなりに注いだ状態で提供されると思いますよね?
それがどうでしょう、奥さん。缶丸ごと1本で来たんですよ。潔過ぎて心臓がどきどきと高鳴りました。いただきますを言うが早いか、押し倒さんばかりの勢いでビールに手を伸ばす。プシュッ、と酒雄さんがびっくりした声を上げていました。
こってりしたラーメンをすすり、チャーシューにかぶりつく。無料トッピングのニンニクや紅ショウガで味変をしても、そもそも油がしっかり効いてるラーメンですから、簡単に口の中のこってり感はぬぐえません。そうなったら、迷わずビールで浄化する。
眠そうな同期とは対照的に、覚醒していく私の脳裏。健康診断前日は飲むことを許されず、そして急な夜勤で引き離された私と酒雄さん。愛し合う2人は、ラーメンという沼の中でようやく互いの手を握り合うこととなったのでした……。
幸せそうな私とは対照的に、若干同期の目は冷たい気がしたけど、まあそれでも仕方ない。またファミレス呑みに呼び出そうと決意しながら、空のてっぺんにたどり着いた日差しに目を細めながら、私は翌日の休みと代休に胸を弾ませるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます