食の三種の神器
おつかれー
皆さんは、「食の三種の神器」って何かわかりますか?
メイン・副菜・ドリンクのセットのことです。出典はありません。
ちなみに私にとっての三種の神器は、ラーメン・餃子・瓶ビール。これに勝る三種の神器に出会ったことはない。
届く順番も、ある。飲み物→餃子→ラーメン。この順序でなければ、神になりえない。
瓶ビールは、小瓶が理想。中瓶ではいいけれど、大瓶ではいけない。あんまり大きいと、ビールだけでお腹がいっぱいになってしまうから。ビールも食事も楽しみたいので、小瓶が理想、なければ中瓶で、というのがマイルールだったりする。
次に届いてほしいのは、餃子。箸で掴んだだけで伝わってくるもちもちとした記事。一口齧ればカリっと響く焼き目は、うっすら茶色でも、かといってこげ茶過ぎてもいけない。ちょうど中間地点の色がいい。それを二口でパクリぱくりといきたいところ。
一口目は湯気と
生姜、豚ひき肉、ニンニクの香り。そしてフライパンだろうか。そのこんがりと焦げた焼き目の味がしなだれ込んで来る。
「餃子をビールと一緒に流し込む」というのは、もはや作業だ。ラーメン屋に来たらラーメンだけじゃなくて餃子だって愛したい乙女心である。
そうしていると、「お待たせしました」という店員さんの軽やかな声と一緒に、ラーメンが到着。大抵、餃子が届いてラーメンが届くまでにタイムリーはない。以前ラーメン屋でバイトしていたので分かるのだが、餃子は最初に作り始めるからだ。ラーメンよりも、時間が掛かることもある。そして大抵のお客というのは、誰にどういう教育をされたのか知らないけれど、「餃子はラーメンより先に来るもの」として心得てしまっている。店側としては迷惑な話だが。そのため、オーダーを受けたらラーメンよりも先に焼き始め、寧ろラーメンは餃子が焼き上がる直前に作り始めることが多い。
私は三種の神器の頂点に立っているラーメンは、チャーシュー麺をなるべく頼みたい。
それも、ただのチャーシュー麺よりも、「炙りチャーシュー麺」が好き。
ただ煮て切ったチャーシュー麺も美味しいのだけれど、ラーメンに乗る前にガスバーナーで焦げ目をつけたチャーシューが美味しい。普通のラーメンだと具材で飲む、ということはし難いけれど、チャーシュー麺だと不思議とビールが進む。特に焦がしてあれば、ふっくらとした肉々しい香りに炎の風味も相俟って、気が付くとビールが進む。しかも餃子と違って、ビールがなくなって物寂しさというのがない。ビールがなくなっても、麺とスープが残っているからだ。ビールと餃子、具材がなくなったとしても、スープと麺が残っていればそれで〆になってくれる。つまりチャーシュー面は、実質二品あるようなもの。
女の一人飯は寂しいものとして評価されることが多い。しかし、ラーメン屋に行けば、客はみんな周りを気にしない。居酒屋と同じようにカウンター席に座っても、グラスを傾けながら人のことを探る必要はなく、目の前の丼にのみ集中することができる。その上、居酒屋のように「あれも食べたいこれも食べたい」となることはないので、食べ過ぎることも飲み過ぎることもない。
気ままに飲める「三種の神器」、否、「四種の神器」と言えば、ラーメン屋で頼む焦がしチャーシュー麺、餃子、小瓶のビールに他ならない。
◇◆◇
……ちなみにこの文章、学生時代に課題で提出したレポートから抜粋→手直ししたものになっています。これでB評価取れてるんですよ(A・B・C・D・Eの5段階評価)。
よくこれでOKもらえたものだ……と、今だと呆れてお目目が丸くなってしまいます。
二十歳になったばかりの頃は、くるまやラーメンに入り浸って、いつもこのセットで飲んでました。当時はまだ酒雄さんと出会っていなかったのですが、既に酒カスの道にたどり着いていた……ということですね。
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