最終話 ざまぁ
あれから待つ事1週間。
音沙汰はない。
家の外が騒がしい。
もしかして、王女様の使いか。
ドアを開けると、見知った顔。
ポーション職人の面々とシャガが殺気だって立っていた。
みんなの手にはこん棒だの鉄の棒だのが握られている。
「やれっ!」
シャガが号令を下す。
俺は事態を悟って物理耐性ポーションを飲んだ。
振り下ろされる鈍器の数々。
少し下がって俊敏ポーションを飲む。
囲みを突破する。
だが囲まれてしまった。
四方八方から振り下ろされる鈍器。
俺は何とか抵抗しようともがいた。
その時、騎士の一団が到着した。
「やめんか! やめないと騒乱の罪で斬る!」
職人の手が止まる。
ふう、助かった。
上級の物理耐性ポーションでも、この殴打を続けられば、死んでいたところだ。
「パンパスは誰だ?」
「はい」
俺は手を上げた。
「王女様を救った功績でそなたに褒美をとらす。何がよいか尋ねてこいと王様が仰せだ」
「俺の作ったパンティを王女様に穿いてほしいです」
「はははっ、変わった男だな。ポーション職人だと思っておったが」
「違いません、そのパンティが伝説級を生み出すのです」
「なるほど、分からん。天才の考える事などわからん。が、願いは聞いた」
職人は事態の展開についていけないようだ。
「ところで俺は何で袋叩きにされないといけないんだ」
「もぐりのポーション職人が縄張りを荒らしたからだろうが」
「そうだ」
「そうだ」
「許せない」
「病院の病人をみんな完治させやがって」
「稼ぎが半分になったんだぞ」
ああ、嬉しくなってやったあれか。
「それの何が問題なのだ。もぐりのポーション職人が、ポーションを作って使ってはいけないという法はない」
騎士が口を挟んだ。
「騎士様、お言葉ですが。わしら売り上げが減ったら生きていけません」
「ふむ、だが、法は法だ。暴行罪でこの者達を捕えろ」
騎士達がポーション職人達を縛り上げていく。
俺のせいとも言えるから裁判の時は罪が軽くなるように口添えしよう。
「むっ、そこの者。何か隠しておるな」
シャガが怪しい動きを見せた。
騎士の一人がシャガのポーション鞄からポーションを取り出した。
騎士が改める。
「これは禁止薬物のコルチカムではないか。これは重罪だぞ」
「違うパンパスが作ったんだ」
ああ、あの時のやつか。
捨ててなかったのか。
いざとなったら、王女様を救った功績でチャラにしてもらおう。
「違う」
師匠が現れて異を唱えた。
「詳しく話せ」
「確かにパンパスは禁止薬物を作った。だがそれは全て処分した。【鑑定】。やっぱりだな下級の品質しかない。パンパスが作ったのは上級だった」
「ふむ、嘘判別を使え」
騎士が部下に命令する。
「【嘘判別】。さあ言え誰が作った」
「俺じゃない」
「嘘だな」
「シャガ、お前は破門だ」
「前に俺が作った時、騙して作らせたか聞いて下さい」
「【嘘判別】。パンパス殿に騙して作らせたか」
「違う騙してなんかいない」
「嘘だな」
「シャガの様子がおかしかったから、駆け付けたらこんな訳か。パンパスを口封じしたかったのだろう。パンパス、破門は解いてやる」
「師匠、ありがとうございます」
「シャガとやら斬首だな」
「くそう、これもパンパスが。お前さえいなければ」
シャガがロープを斬って、俺に襲い掛かる。
手にはナイフが握られてた。
俺は素早くこん棒を拾うと、おもいっきりシャガの頭を叩いた。
シャガは昏倒した。
俊敏ポーションはいい仕事をする。
騎士がシャガの脈をとって、首を横に振る。
「見事である。正当防衛である事は証言しよう。では行くとしよう」
ほどなくして、俺は王宮に招かれた。
王女様を目の前に。
「失礼します。【抽出】【添加】【調合】」
「ああっ、気持ちいいですわ。はわっー」
「王女様! 下郎、何をした?」
「いえ、いいのです。はぁはぁ、これはなかなか良いものですね」
「では明日回収に参ります」
地元の街に帰る時に、王女様がついて来て、隣の家に住み始めたのは些細な事だ。
ちなみに王女様のパンティは光属性だった。
リッチが率いる、アンデッドの大群が押し掛けてきた時に、光の神級ポーションが活躍したのは別の話だ。
-完-
――――――――――――――――――――――――
あとがき
もっと続く予定だったのですが、こうなりました。
ヒロイン100人できるかなを目指したかったです。
あまりに読まれないので心が折れました。
ポーション材料の薬草はパンティです~兄弟子の陰謀で禁止薬物を作って破門になったポーション職人。薬草の人工栽培に挑戦する。女の子達の穴から染み出した魔力が色々な薬草パンティを作るのだ~ 喰寝丸太 @455834
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