「ぼくの仲間になってよ」から始まる伝説の冒険譚 〜勇者のお願いなんだから、まさか断ることなんてないよね?〜

未田不決

第1話

 ――魔物の支配者である魔王が復活せし時、人世の救世主たる勇者もまた誕生する。魔王が魔物を従えて世界の破壊を目論む反対に、勇者は英傑を束ねて人世の安寧を守護する。これは自然の摂理、幾度となく繰り返されてきたこの世界の宿命であり歴史だった。


「ああ、その昔話な。知ってるよ。オレも小せぇ頃から嫌ってほど聞かされてきた。何でもよ、勇者と魔王はそれぞれこの世のバランスを保ってんだって話だろ。勇者が増えた魔物を殺し、魔王と魔物が人と人の文明を滅ぼす。そうすることでこの世の姿を維持してる。だから、強ぇ魔王が復活した時には強ぇ勇者が生まれるって寸法らしいぜ」


「するってぇと旦那。この武器ではなくて、こっちのブローチなんかはどうですかね。わたしが聞いた話によると、何でもその昔の高名な戦士が自分の婚約相手に送ったものらしくてですねえ。戦士が闘いに赴いている間も自分を忘れさせないために魅了しておく力があるとか。ひいてはこのブローチを着けた女は忘れられなくて、切なくて、震える夜を過ごすなんて催淫の効果もあるようで、アッチの方も捗ることかと」


「いやぁ、そんなもん買わねぇよ。オレは魔物を一刀両断できる武器を探してんだぜ?」


「あら、旦那。旦那が今し方言ったんじゃねえですか。強い魔王が復活したら、強い勇者が生まれるんでしょう?それなら、あんなに弱い勇者がいるんですから、魔王も大したものではありませんよ。今から魔物に備える必要なんてないですぜ、きっとこの世はまだまだ平和ですよ」


 露天商の主人は汚いものでも見るような侮蔑のこもった目で街道を見遣った。その視線を追って、戦士ふうの男も後ろを振り返った。


「まあ、そうかもな。いくら使命を背負ったからって、ああはなりたくないもんだぜ」


「全くです」


 始まりの町――イヨークで一番の大通り。ここで既に日常茶飯事となっている異様な光景が今日も繰り広げられていた。

 大通りのど真ん中、人通りも馬車の行き交いも遮って地に伏す男が一人。彼はこの人世を救うとされる勇者と呼ばれる人間だった。


「頼む!この通りだからッ!!!」


 勇者は額を石畳にピタリと着けたまま、両手で地面をぺたぺた叩いて懇願する。

 勇者が頭を下げるのは、所謂ビキニアーマーを来た防御力の低そうな女戦士である。背中に二刀の細身の剣を装備し、始まりの町で見るには珍しい手練れふうの容貌だ。

 女戦士は蔑むような目で勇者を見下し、勇者の土下座に気圧されたのか半歩下がって今にも逃げ出したそうにしている。


「お姉さんがいないとダメなんだ。ぼくはお姉さんみたいな仲間がいないと何も出来ない。勇者なんて言ってちやほやされているが、何の力もない。ぼくを助けると思ってお願いだ!ぼくの仲間になってくれ!頼むよ!」


 往来で何をしているんだコイツは。そもそもちやほやなんてしてないだろう。と言う感じに、町民たちは冷たい眼差しを送っている。その冷めた空気感が尚一層女戦士を怯えさせた。何しろ、この女戦士は流れの冒険者であって、この町の風物詩となっている『土下座するダメ勇者』を知らなかった。


「ええ、と。その……わたしこれからクエストに行かなきゃいけなくて」


 いつも強気で男勝りな女戦士が勇者相手にたじたじになっている。


「その……もう行くから」


 女戦士が身体を翻し、勇者から離れようとしたそのとき――


「待って!」


 土下座していた勇者はカエル飛びの要領で地面から射出、そのまま女戦士の足に絡み付いた。


「きゃあ!」


 年相応の女らしいか細い悲鳴を上げる女戦士。しかし、彼女はひ弱な勇者や始まりの町の素人冒険者とは一線を画す実力者である。たちまち冷静さを取り戻し、勇者の絡み付いた足を大きく振って勇者を足で投げ飛ばす。勇者は野菜を売る露店の脇の空き箱に飛ばされて、痛んだ野菜の生ゴミに塗れる。その隙に、女戦士は走り出した。

 ――知らない町の知らない気持ちの悪い男。この町の人々は冷たく、わたしが絡まれていても助けてもくれないし、わたしだっていくら変態だからと言って人を斬り殺すなんて出来ない。

 ここは逃げるしかない。この場を離れるしかないと女戦士は逃げ出した。


 ――しかし、回り込まれてしまった。


 隙を見て走り出したはずなのに、路地裏からあの男が身体を野菜の屑で汚しながらぬるりと現れた。

 女戦士はその猟奇地味た登場に戦慄し、精神に5のダメージ受ける。


「仲間になってくれるまで、逃がさないから」


 勇者は血走った目で女戦士を見据える。そこには強そうな女戦士を仲間にしたいという思い以外に他意はない。あれほど防御面に問題がある軽量アーマーを着ているからには相当に手練れのはずだと勇者は勝手に確信していた。勇者の使命、魔王討伐のためには心強い味方が必要だ。何しろ勇者にはこれと言って力もない。それなら伝説に従って、何が何でも英傑たちを仲間にするしかないのだ。


 女戦士は声にならない悲鳴を上げながら、踵を返して走り続ける。不思議と得物に手は伸びない。ただあの男から逃げ切らなければいけないと、その一心でただ走る。呼吸を浅くしながら、額の汗を拭う。

 今日立ち寄ったばかりの知らない町を駆ける。広い街道は人で溢れ、人混みの中を他人を押し退けて無理矢理に通り抜けた。後ろに注意を向けている間に目前で馬車が横切ったり、不注意で突き飛ばした人の荷物を急いで拾い渡したり、危ない場面はいくつもあった。それでも、絶対に足を止めることはなかった。


 ――しかし、回り込まれてしまった。


 女戦士が走っていると、先にある建物の屋根上から黒い影が飛び出した。しなやかに着地した男は背筋が凍るような薄ら笑いを浮かべている。


 女戦士は精神に6のダメージを受けた。


「ハァハァ、早いね。……戦士の人って頑丈でもその代わりに鈍重なイメージがあったんだけど。女の人ってやっぱり身軽だね。逃しちゃうかと思ったよ」


 どうやらこの男はこの町を知り尽くしているらしく、女戦士が唯一見知っている町の出口へと向かったが、先回りされてしまったようだ。

 

 肩で息をする男が両手を広げて立ちはだかる。見るからに疲れていそうではあっても、ただで通してくれる気はしない。何度か修羅場を潜ってきた女戦士にも少なくともこの道を押し通る隙は見当たらない。


「もう、だからなんでわたしなのよ変態ッ。いい加減にしてよ!」


「変態って、勇者のぼくが仲間になってくれって頼んでるんですよ?お姉さんが協力してくれなきゃぼくはいつまで経っても魔王を倒せません。この世界を救うのになんの不満が有るんですか!!」

「……それともお姉さん。もしかして魔王軍の使いなんですか?そうですよね、ぼくの仲間にならないなんて――」


 勇者は瞬きひとつせずに女戦士に躙り寄る。


「……ヒィィ」


 女戦士は精神に1のダメージを受ける。

 女戦士は精神に1のダメージを受ける。

 女戦士は精神に1のダメージを受ける。

 女戦士は精神に1のダメージを受ける。

 女戦士は精神に――。

 

 女戦士は逃げ出した。


 ――しかし、回り込まれてしまった。


 女戦士は精神に7のダメージを受けた。


 また女戦士は逃げ出した。


 ――しかし、回り込まれてしまった。


 女戦士は精神に8のダメージを受けた。


 それでも諦めず、女戦士は逃げ出した。


 ――しかし、回り込まれてしまった。


 女戦士は精神に11のダメージを受けた。


 最後の力を振り絞り、女戦士は逃げ出した。


 ――しかし、震える足は言うことを聞かず、腰に力が入らない。女戦士はぺたりと尻もちを着いてしまう。動悸が激しくなり続け、十分に呼吸をすることができない。もうどうすることも出来ないと、背中の剣の柄を握るが剣を振るほどの力は女戦士にはもうなかった。視界の端が黒く染まっていき、意識が遠退いて行く。


「……ごめんなさい。もう許して――、あなたの仲間になります」


 ――女戦士ラナズリーが仲間になった。



***



「起きてるラナズリー?」


 外がまだ青白い早朝に勇者が慌てた様子でラナズリーの寝屋に飛び込んで来た。ラナズリーや勇者が泊まっている格安の宿は部屋の中に二段ベットが四つ詰め込まれた相部屋方式になっている。宿屋の相部屋は無用のトラブルを避けるために男女別の部屋が用意されている。つまりは女性用の寝室に男である勇者が突撃して来た形であり、まだ大半の人が眠っている静かな早朝とは言え、当然に騒ぎが起こる。


「きゃあああ!」

「何で男がいんのよ!」

「え?男?!」

「この変態ッ!!」


「――ちょっと!しれっと女性サイドに混じらないで。ぼくらおんなじパーティでしょうがッ!!」


 勇者は枕やら麻袋やら時には皮のケースに入ったままの短剣やらを浴びせられ、扉の前で頭を抱えている。

 ラナズリーはやいのやいの言いながらも急いで身支度を済ませて部屋から飛び出して来る。ラナズリーが部屋から出て来たのを見て、勇者は扉を閉めて難を逃れる。


「で、朝から何?」


 ラナズリーは呆れた顔をして、酷く冷たい声色で告げる。


「いいから逃げるよ」


「逃げる?」


「静かに!」


「――ちょっとぉ。何の騒ぎだい?」


 一階の受付の方から宿屋のおかみさんの声がして、ギシギシと階段の軋む音が近付いて来る。


「――不味い」


 勇者はラナズリーに耳打ちする。


「(今朝確認したら昨日の分の宿代が足りなかったんだ。今すぐにクエストに出て、ちょっと稼いで来るよ)」


「(えぇ。何でそんなことになってるのよ)」


「(昨日のラナズリーの歓迎会でちょっと使い過ぎちゃった)」


「(使い過ぎたって、昨日のは殆どわたし持ちだったでしょ)」


「(いいから!こっち来て)」


 二人は階段から続く動線から隠れるために一旦物置き部屋に身を潜め、おかみさんが通り過ぎた隙に宿屋を飛び出した。



 始まりの丘――イヨーク近隣にある緑豊かな野原には地面を覆う雑草と疎に生える低木以外には何もない。辺り一面が開けているから魔物が潜んでいるなんてこともなく、危険な魔物は関所より内に入り込まないよう徹底管理されているから比較的安全である。


「で、アンタ何が出来るのよ」


「え、何も出来ないけど。ラナズリーは一体ぼくに何の期待をしているのさ」


「それじゃあ、わたし一人に戦って来いっての?」


「うん。平気でしょ。この辺りの魔物は強くないし」


「強くないならアンタだって――」


「はっきり言わせてもらうけど、ぼくはそんな魔物より弱い。兎に角弱い、戦えない」


 勇者は得意顔で宣言する。


「それならアンタはわたしが戦ってる間何するのよ」


「えっと、取り敢えず戦闘には参加するけどドロップ品を集めるだけかな。避けるのは任せて置いて、ちょっとは出来るから。後は――応援するとか?」


「もういいわ。わたし一人で戦えばいいんでしょ。戦えないならせめて足手纏いにはならないでね」


「りょうかい!」


 ラナズリーは双剣を手にしてスライムの群れに向かって行く。スライムは最も安全な魔物であるが、一度敵対行動を取ると近くの群れごと襲いかかって来る。それでも数ばかりが多いだけで、それなりに手に覚えがある者なら討伐には苦労しないし、武器を取ったばかりの素人冒険者でも規模の大きな群れを相手にしなければ問題ない。

 スライム相手に一騎当千のラナズリーは竜巻の如くスライムを巻き上げて、柔らかい半透明の塊を細切れにして行く。


 一方で、群れを外れラナズリーの攻撃を逃れたスライムは勇者を標的にする。プルプルと動きを予測しにくい予備動作から跳ね飛んで突進して来る。


 スライムの突進攻撃。勇者は2のダメージを受けた。


 突進して来たスライムは勇者の腕に張り付いて、じわじわと毒を染み出させて勇者を蝕む。


「どう?そっちは大丈夫?」


 なんだかんだ言ってラナズリーは勇者の心配をしてくれている。


 スライムの毒攻撃。勇者は1のダメージを受けた。

 勇者は1のダメージを受けた。

 勇者は1のダメージを受けた。


 勇者はブンブンと腕を振ってスライムを払い除ける。


「平気、まだやれるよ」


 スライムの独特な攻撃は近距離だと避けるのが難しい。けれどスライム自体は足の速い魔物ではなく、勇者はその場を走って逃げ出す。二刀を振り回すラナズリーの近くにはどっちにしたって近付けない。だったらドロップ品の回収なんて戦闘中に出来るはずもなく、それならと勇者はスライムの群れから距離を取るために走った。


 勇者は逃げ出した。


 ――しかし、逃げた先に新たな魔物が現れた。


 ――あれは、オヤダマスライムだ。


 オヤダマスライムは勇者が身構える前に襲ってきた。オヤダマスライムの攻撃。勇者は26のダメージを受けた。

 勇者は力尽きた。



***



 目が覚めると、勇者は真っ白な大理石の上で横になっていた。高い天井を床から見上げると、白一色の建物にはカラフルなステンドグラスを通した虹色の光が写っている。何度も見た天井に、何度も体験した固くて冷たい大理石の床。ここは勇者もよく知るイヨークの教会だ。いくつもある採光窓から差し込む光がキラキラと壁を反射し、神聖な輝きが満ちている。


「目が覚めましたかな、勇者様」


 低くしゃがれた老人の声にはどこか暖かみがあり、この優しげな男の声には聞き馴染みがある。この声の主はイヨークの司祭だ。


「いやはや、流石は勇者様。いかに蘇生魔法と言えど、こう何度も蘇生に成功するのは勇者の天運があってこそですな。ホホホ」


「司祭、ラナズリーはどこですか」


 勇者はやおらに上体を起こし、重たい頭を抱えた。


「む、ラナズリー様ですか。さて、知らない名前ですな」


「多分、ぼくをここに運んで来た女戦士です」


「おお、あの美しい女戦士様ですか。あの方なら『町の外で勇者を拾った』『傷付いているようなので治してやったらどうだ』とだけ言ってさっさと立ち去られましたな」


「しまった、逃げられたか!司祭、ぼくはどのくらい寝ていましたか?」


「そうですね。運び込まれてから半日というところでしょうな」


 まだ間に合うかも知れない!と、そう考えて勇者は慌てて立ち上がる。


「――もう平気で?!」


「ああ、うん。ありがとう。ぼく、もう行くから」


 勇者は霧がかかっているみたいな釈然としない意識を頭を振って吹き飛ばし、教会を後にする。


「ではお気を付けて。あなたの使命に好き導きが在らん事を――」


 勇者は弱かった。選ばれし救世主でありながら、そこらの冒険者よりも弱い。いや、きっとこの町の商人よりも弱いだろう。レベルは上がらないからただでさえ貧弱なステータスが上昇することもないし、武器の熟練度も全く成長しないので、その内持つだけ無駄だとまで言われた。唯一出来るのは遠巻きで戦闘を見守り、危ない時には逃げることだけなのだが、それも完璧だとは言えない。これまでも幾度となく教会で目が覚めることがあった。戦闘で足手纏いになっているにも関わらず、一番先に力尽きて仲間に教会へ担ぎ込まれる。そうなると、もう足手纏いどころではない。そんなことが何度もあるものだから、必死の思いで勧誘し仲間にしたパーティメンバーたちも呆れて契約を解消する。勇者が目を覚ます前に蒸発してしまうなんてことはざらにあった。


 しばらく町の中を探し回ったが、ラナズリーは発見できなかった。もう町を出てしまったんだろう。

 

 ラナズリーは最初からかなり仲間入りを拒んでいた。勇者を変態と罵って、必死に逃げ回っていた。それにイヨークでは珍しい熟達者である。こんな安全な町で、どうしようもない勇者と燻っている理由なんてないだろう。きっとそうだ。


 勇者は失意のままにとぼとぼと歩き続けていた。日はすっかり沈んでしまい、勇者の足は自然と明かりの灯った歓楽街へ向いていた。


「どうしたんですかお兄さん、そんなに落ち込ん――ゲッ、勇者じゃん」


 呼び込みのお姉さんが声を掛けてくる。露出の多い衣装に、勇者はビキニアーマーを着用したラナズリーを思い出し、悲しくなる。


「おら、勇者!ここらはお前の勧誘騒ぎは禁止だからな。冒険者が立ち寄らなかったらうちらが迷惑なんだ」


「どうせ遊ぶ金もないんだろう?ほら、どっかへ失せな」


 どこにも歓迎されない勇者はふらふらと歩き回った。イヨークを知り尽くした土地勘で、人目を避けるみたいに路地を縫うように彷徨い、気付けば下宿している安宿の近くまで辿り着いた。

 宿場通りには暖かなオレンジ色の光が灯っている。


 ぐぅと腹が鳴る。丁度夕食時の宿場から漂う芳ばしい香りに、ようやく空腹を思い出した。

 今晩泊まる金も、夕飯にありつくための金も今は持ち合わせていない。


「はぁ」


 落ち着いた雰囲気の宿場街の通りに、暗い人影が立ち竦んでいる。ざんばらな短髪に、格好だけはまともに見える薄手の甲冑を着ている痩せ型の男。その男を女戦士は知っていた。


「――どこ行ってたの、アンタ」


「え?」


 勇者が振り返ると、背後に街灯の光を受けるラナズリーが立っている。


「なんで……」


「何でって、あれからスライム倒して、倒れてるアンタを見つけて――。教会にアンタを届けてから、ギルドに報告して、報酬を貰ったでしょ。それであの宿屋にお金支払いに行ったら勝手に部屋開けるなって怒られて。別に延滞したのはわたしじゃないのにって思いながら、教会にアンタの様子見に行ったら居なくなってるでしょ?勝手にどこいってんだよって探したけど、見つからなくて。もういいや、お腹が空いたから帰ろって戻って来ただけよ」


 勇者はひどく赤面し、ぐすりとうるさく鼻を啜って泣き出した。


「ちょ、ちょっと。触んないでよ。泣き付いてこないで!」


「ありがとぉ、ラナズリー」


「いいから、離れなさい」


 ラナズリーは足にしがみつく勇者の頭を殴り付けた。



―――――――――――――――――――――――

ラナズリー Lv21 ♀ 職業:戦士(軽量)


たいりょく 101

ちから 42

みのまもり 8

すばやさ 44

せいしんりょく 30


パッシブスキル:二刀の心得

 攻撃のノックバックが半分になる代わりに、与えるダメージが倍になる。


スキル:デュアルハリケーン

 回転攻撃をしながら移動する。スキル発動中は敵からのダメージを受けない。


―――――――――――――――――――――――

【ゲームコンセプト】


 主人公である勇者は戦えません。自分では戦えないので町にいる冒険者を無理矢理に仲間にしようとします。


[仲間勧誘パート]


 冒険者を仲間にする方法はズバリ土下座と「YES」と言わせるまで頼み続けること。イヨークの町は勇者にとって庭であり、この町での追いかけっ子には絶対的な自信があります。


 この仲間勧誘パートでは、イヨークの町にランダムに出現する冒険者を主人公が追いかけ続けます。冒険者には逃げる速度である素早さの他にも、精神力のステータスがあり、主人公が追い詰めることで精神力を削り、精神力が削り切ると仲間にすることが出来ます。また、勧誘には時間制限があり、時間内に精神力を削りきれないと冒険者が町の外へ出てしまいます。


[探索パート]


 パーティに主人公以外のメンバーがいるときに、町の外へ探索に出掛けることが出来ます。探索は魔物との戦闘がメインで、戦闘中は2Dの弾幕シューテングふうです。主人公はひたすらに魔物の攻撃を回避し、パーティメンバーは敵を攻撃します。主人公に出来るのは魔物から逃げることだけですが、勇者の力によってパーティメンバーの近くにいればいるほどパーティメンバーのステータスにバフが掛かります。また応援と称してアイテムを使用して味方を援護できます。

 探索中に主人公が力尽きてしまうと、勧誘した仲間が愛想を尽かして蒸発してしまうことがあります。


[日常パート]


 仲間になった冒険者には好感度と呼ばれるハートが三つあり、このハートがゼロになるとパーティを脱退します。好感度はアイテムをプレゼントしたり、仲間のクエストを聞いたり、多額の報酬を渡すことで上げることが出来ます。


[その他]


 町の中の店で買い物し、お得意先となると町民が勧誘活動の手伝いをしてくれます(逃げ回る冒険者を引き止めてくれるようになります)。


 教会では主人公が力尽きる度に少額の人世救済援助資金の一部を受け取ることができます。


(筆者のアピールポイント)


 従来のRPGであるような仲間の増えていくワクワク感を味わえると思います。また、仲間になるのは既存のキャラクターではなく、ランダム生成されたキャラクターであり、風貌や職業、強さや性格のテンプレが違います。その中から好みのキャラクターを仲間にし、自分だけのパーティを作れるカスタマイズ性が刺さる人には刺さるのではないかと思います。

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「ぼくの仲間になってよ」から始まる伝説の冒険譚 〜勇者のお願いなんだから、まさか断ることなんてないよね?〜 未田不決 @bumau

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