“若さ”に握られた権利

来た、と思わされる内容。

“卒業”という学生にとって1つの大きな節目を迎えるイベントは昨日までの自分から脱却し、明日からの自分を創ることができる。
若者の期待とは裏腹に、大人から手渡されるのは責任を背負うため──あるいは行使するための道具。
これを理解のない大人から押し付けられたと取るか、社会に認められた証と取るかはその人それぞれだろう。

若さゆえの過ちという言葉がある。
その過ちを、“心が弱い”の一言で片付けた教師は卒業生からの熱い感謝(あえてこう表記させていただく)を受け取っている。
その後描かれる、母校を巣立った若者たちの行動。
大義だとか、責任とかを感じることはない。若さゆえの熱量が彼らに責任を負わせる。

普通でないから責任を負うのか。
普通だから義務に従うのか。
与えられた権利とは、誰に対してのものなのか。
皮肉と風刺を感じさせるような、それでいて爽やかな作品でした。