第5話 ありっちゃ あり

 この時代のこの国に来るにあたって、あたしに用意された名前は、春下未来 はるかみらい だって。

いや、これ、ダジャレですか?

ガッツリ未来人だって言っちゃってますけど?

でも、AIがいろいろと考慮してつけてくれた名前だから、文句を言うことは出来ないんだけど。

元々、本当のこの時代の家族の記憶を少しイジッて、あたしも家族の一員に加えられた。


会社員のお父さん、春下正孝

パートのお母さん、春下由紀子

大学生のお兄ちゃん、春下賢人

そして、高校生のあたし、春下未来


この家族たち、春下はるかって名字が選ばれた理由なのかな?


あと、猫を飼っているけど、この猫の記憶はイジッてないみたいで、あたしに対して超敵対的。

もし、猫の言葉がわかるなら、きっと

「こいつ!ニセモノだよ!!ダマサれないで!!」

って、必死に言ってんだろうな~。

ま、それは無視。

一応、猫の名前はミア



 『この時代における団体競技のポリティカルコレクトネスについて』

というのが、この3年間の留学の研究テーマ。

あたしが本当にやりたいこととは別に、これも

ちゃんとやらなきゃとは思っている。

これをちゃんとやらないと処罰対象になるみたいだし。

処罰って、なに~?怖っ!!

団体競技ってか、要は高校の部活動。

ま、なんの部活でも良かったけど、いろいろと見て回ったら、サッカー部にイケメンが多かったから、サッカー部のマネージャーとして潜入することにした。

アーカイブでよく見た、女子マネージャーと部員の恋。

三角関係とか。

100人とキスするミッションとは別に、サッカー部の誰かと付き合うってゆうのも、ありっちゃありだなと思っている。

そうゆうのが青春ってもんじゃない?

青春って、その響きだけでエモいよね~!!

どっちにしろ、あたしには3年間しかないんだから、悔いが残らないようにしなくちゃ!!




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