パジャマ着てる、夏休みが、来ずに入院

ファンタジーに見せて現代物。
宇宙遊泳をしているような浮遊感を作品から感じる。

タイトルをみてから作品を読むと、ギャップの大きさに戸惑い消化しきれなかったので、少なくとも二度読み直した。
冒頭は現在が書かれ、つぎに過去の話。
中学卒業後の話の後は、冒頭の話の続きが書かれている。

夜の街を徘徊するようになって事故に遭遇してようやく、主人公は歩み寄ってなどいなかった自分に気付く。
先に分かりあうことなど出来ないと線を引いたのは、父親ではなかったのだ。

大事なものに気づくときは失ったとき、というのはよくある話。
でもまだ失ったわけじゃない。
主人公はようやく、自分たちの家族の形を探しに行こうと思えるようになったのだ。 
ぜひとも、一日でも早く怪我を直して、家族と向き合ってほしい。