人生は一人称ボクの物語。

いっぱい食べてね

ゴミ捨て場にお姉さんが捨てられてた。

痩せ細って目は虚ろ。

家に連れて帰って、

温かいお風呂にいれてあげた

それでも、まだ元気にならない。

昔お母さんが、

いっぱい食べれば元気になるって言ってた。

温かくてお腹に溜まるもの。

作らなきゃ。

でも、生憎僕は自炊なんてしたことがない。

まぁ、なんとか頑張るか。

やっぱり弱った胃にはお粥だろう。

卵粥つくろう。

風邪引いたとき、絶対お母さんが作ってた。

生姜入れれば体がポカポカするからっても。

卵は冷蔵庫の、

ご飯はレンジでチンするやつ。

不恰好だけど香りはいい感じ。

ゆっくりだったけど、全部食べてくれた。

やっと目が合うくらい瞳に明るさがでる。

明るい茶色の瞳が綺麗。

次は何作ろう。

洗い物しながらそう考える。

母の料理は偉大だ。

そう呟いて冷蔵庫を開ける。