少女がチョコを持っていった父親を探すお話です。衝撃のラストで1つ、再び読んだ時にわかる伏線や匂わせの数々で2つ。ある種の信頼出来ない語り手、というかむしろ信頼してはいけない語り手と言えるかもしれません。確かな納得感と共に震えます。
文体とストーリーの関連が見事だった。無邪気という状態の根底に潜む恐ろしさのようなものを見て、興奮のまま読了した。私たち人間のどこか楽観的な心に釘を鋭く打ち込む一作だと感じる。