第4話 コンビニ決戦
バイトが楽しくなった俺は『言葉』や『音』を物質として認識する事はなくなっていた。昼間でも気軽にコンビニに行く事ができるようになっていた。
昼飯を買いに近所のコンビニへ到着した。何やら暴れている男がいるようだ。その暴れる男の『言葉』だけは何故か物質として認識できた。
昔取った杵柄で暴れる男の物質と化した『言葉』を余裕でかわす。この感覚は懐かしい。俺は暴れる男の物質と化した『言葉』を余裕でかわしながら弁当を物色する。
隣には暴れる男の物質と化した『言葉』を余裕でかわしながら意識の高いサラダを物色するOLがいる。何者だろうか。
コンビニ店員やその他の客は暴れる男の物質と化した『言葉』を視認できずに次々にダメージを負っているようだ。鼻血を出したり腹を押さえてうずくまったりと怪我人まで出てしまっている。
深夜によくお世話になっていた俺のコンビニが荒らされている。自室の次に大事な俺のコンビニが荒らされている。俺は怒りに震えて暴れる男にこう言った。
『止めた方がいいですよ』
なんと俺の『言葉』が物質と化した。俺の『止めた方がいいですよ』がマッハで暴れる男へ飛んでいく。
暴れる男は他人の物質と化した『言葉』を見るのは初めてのようで動揺している。しかし動揺しながらも反撃してきた。
『おう、お前だれや』
暴れる男の『おう、お前だれや』がマッハで飛んでくる。
怒りに震える俺は、暴れる男の『おう、お前だれや』を片手で受け止め握り潰す。暴れる男が驚きたじろいでいる。
隣にいた意識の高いサラダを物色しているOLが加勢してきた。
『録音していますよ』
意識の高いサラダを物色しているOLの『録音していますよ』がマッハで暴れる男へ飛んでいく。挟み撃ちにあい暴れる男は苦しそうだ。
俺は物質と化した『言葉』を視認できるお巡りさんを呼んでいた。
『お巡りさん、この人です』
トドメとなる俺の『お巡りさん、この人です』がマッハで暴れる男へ飛んでいく。暴れる男が崩れ落ちた。
近所のコンビニに平和が訪れた。
〜終わり〜
『言葉』がマッハで飛んでくる 同歩成 @Anantoca
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