spiritus / pneuma

「アルキという神々は双子で、われわれの知る神でいえばカストルとポルックスの双子神に近い存在であるらしい」



かつて、ユリウス・カエサルがケルト圏に侵攻したとき、彼はケルトの神々をローマ神話になぞらえました。
それを記した遠征記録が、我々の知る「ケルト神話」の、数少ない断片の一つになっています。

ローマ人は侵略を繰り返す中で、様々な世界に足を踏み入れました。
その結果、残されるものと消え去るものが、おのずと決定されたのかもしれません。

ゲルマン人の物語は、キリスト教化されたものも、北欧に伝わって残ったものも、誰からも忘れ去られたものもあります。

そして、ローマの人々が見つめたものも。

ノンフィクションのような、フィクション。
この作品の鮮明さは、ローマ人の残した話の、一部のようにも思えます。