ヴァイル

「ここが………異世界。本当に異世界に来たのか」


 フォックスオードリーの劣等生れっとうせい、勉強嫌いのヴァイル。


 バグゼクスとの戦いのあと、タスクに代わって時空の扉へと飛び込んでしまった。


 彼が辿り着いたのは、1970年代の新宿二丁目。


「あらヤダ!何か可愛い子がいるわよ!」


「ほんとだわ、家出かしらね。ワタシ達と一緒に来る〜?」


 右も左もわからぬ街に迷い込み、見たこともない格好をした人に拾われ、異世界での生活は始まる。


「アッーーー!この世界は、なんなんだ!クソッタレ!ぜーんぶ、あの物書きのせいだ!」


 しかし その後、持ち前の適応力とダイに鍛えられた知識を元に、東京暮らしに馴染なじんでいく。


「ダイ先生はアルピニストが本業だったな。よし、山を登るのに便利なアイテムを開発しよう。ダイ先生が驚くような会社を興すぞ!」


 これは彼が、異世界人としての苦悩を抱えながらも、アウトドアの大手ギアメーカーを創設する物語である。


「おい!ナレーションで終わらすな!せめてスピンオフとかを……」


 しかし、それはまた、別のお話。

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みにバグ ~異世界人たちのソネット~ 犬千代 @inucho37

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